ドイツ証、米GSなど外資証券の総利益が過去最高-好相場が寄与(3)

ドイツ証券や米ゴールドマン・サックス(G S)証券など日本国内で事業展開する外資系証券21社は2003年度決算で、純利 益の合計が日本に進出して以来の最高額となったことが明らかになった。株式相 場の上昇を受けて、企業が新規株式の売り出しや、公募増資を相次いで行ったり、 企業間の合併が進展し、外資系証券各社が引き受け事業やアドバイザリー事業の 収益を拡大させたことが主因だ。

証券会社、銀行などの幹部によれば、ドイツ証券やGSのほか、モルガン・ スタンレー証券、日興シティグループ証券、ドレスナー・クラインオート・ワッ サースタイン証券も黒字となるなど、外資系証券21社のうち03年度は黒字会社 が13社となり、前年度の3社から大きく拡大。東京証券取引所によると、外資 系証券21社合計では、03年度の純利益が639億円と、前年度の80億円の損失 から大幅に改善した。これは1986年に外資系証券会社が相次いで東証の会員と なって以来、最高額でもある。

外資系証券会社は、野村ホールディングスなど国内証券会社と同様、TOP IXの上昇率が03年度に50%を超えるなど株式市場活況の恩恵を大きく受けた。 銀行が不良債権処理を進めるなかで、企業の非主力事業の売却や、主力事業買収 などのM&A(企業の合併・買収)に際したアドバイザリー業務でも、収益が拡 大したことも背景にある。

日本ゼネラル・エレクトリックの事業開発本部長の安岡雅之氏は「外資系証 券は苦しい時期もあったが、ここに来て完全に日本のマーケットという地に足が 着いた」と指摘。また「彼らは本国で不良債権ビジネスを経験した強みを生かし て、投資銀行業務を展開し、邦銀がリストラを進めている間、日本のマーケット に食い込んでいった」と述べた。

外資系証券21社合計の引き受け手数料は、03年度に720億円となり、前年 度の477億円から大幅に拡大した。また、債券トレーディンク益は、同102億円 から632億円へと急増した。

外国人投資家が健闘

東証では03年度、国内投資家が143兆円の委託売買を行い(02年度103兆 円)、TOPIXの上昇率が1974年以降で最大となった。外国人投資家も売買 合計で130兆円と健闘し、02年度の111兆円から約17%も増大した。

また、GEの安岡氏は「外国資本が日本企業の株主として入るにつれ、グロ ーバルかつフェアネスなスタンダードに準じて資金調達や合併を行っているとい うことを示したい企業が増えた」と述べ、日本企業が株式の売り出しや、合併時 の主幹事、アドバイザーに外資系証券会社を選ぶケースが増えているとの見方を 示した。

ブルームバーグ・データによれば、日本企業のM&A規模は03年度に約9 兆円に達した。日本政府がりそな銀行の株式2兆円弱を取得した案件を筆頭に、 前年度比で約64%拡大した。この、りそなの案件では、メリルリンチ、シティ グループ、ドイツ証券の外資系3社がアドバイザリーを務めた。外資系証券21 社のM&Aアドバイザリーなどの投資銀行収入は3843億円と、前年度の3148億 円から増加した。

また、株式の引き受け業務は03年度に新生銀行のIPOも含めて約5兆円 に達し、前年度比で77%増加した。ブルームバーグ・データによれば、日興シ ティグループは野村証券に続き、金額ベースで第2位の主幹事で、モルガン・ス タンレーが5位、ゴールドマンが7位など、外資系金融機関の活躍が目立った。

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