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三菱化:原料処理装置を増設、来年12月完成-ナフサ高騰への防衛策

石油化学最大手の三菱化学は13日、鹿 島事業所の石化原料分解炉を1基増設すると発表した。原料となるナフサ価 格の高騰への対応策として、免税措置が講じられた粗製灯油・粗製軽油など を活用し、コスト低減や原料調達の安定を図る。設備増強の投資額は40億円 強で、5月に着工し、来年12月に完成する予定。

これと併せて一部施設を改造することによって、プロピレンとベンゼン の生産能力はそれぞれ5万-7万トンの増産が可能になるという。エチレン の生産能力は現状と変わらない。

三菱化学の正野寛治会長は3月の石化協会の定例会見で、原料多様化へ の対応を進めることを表明していた。旭化成の蛭田史郎社長も4月、割高な ナフサ価格が続く場合、代替技術の開発が促されると述べるなど、石油化学 大手首脳は、最近のナフサ価格の高騰に強い危機感を示している。

粗製灯油・軽油の免税措置

先の国会に提出された税制改正法案が可決されたことを受け、粗製灯油 と粗製軽油を石化原料として使用する場合、4月1日から免税措置が適用さ れる。灯油に対する関税は1キロリットル当たり26円(従来の課税額は564 円)、軽油は同25円(課税額は1257円)へとそれぞれ引き下げられた。

粗製灯油・軽油を輸入する石化会社は免税措置を受けるほか、国内産の 粗製灯油・軽油が石化用として使われる場合、石油精製会社は税金の還付を 受けることができる。

ナフサ価格の乱高下

12日の国際ナフサ価格(運賃・保険料込みの日本向け価格)は、前日比 16ドル高のトン当たり371.50ドル。昨年5月にはいったん212ドルまで急 落したが、中国をはじめとした需要拡大を背景に急回復した。03年度の平均 価格は前年度比25.23ドル高の289.99ドル。

ナフサ価格は01年11月の安値の159ドルに対し、03年3月には388ド ルの高値を記録するなど短期間に乱高下している。国内産業界ではコスト連 動型の値決め方式がまだ浸透していないこともあり、ナフサを購入する石化 メーカーにとっては製品へのコスト転嫁も含めて、頭の痛い問題となってい る。

三菱化学の株価終値は前日比14円(5.1%)安の259円。

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