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ソフバンク:前期連結最終赤字は1071億円-第4四半期に大幅縮小(3)

ADSL(非対称デジタル加入者線)通信 事業で国内2位のソフトバンクが10日発表した2004年3月期連結決算によると、 純損益は1071億円の赤字だった。ADSLブロードバンド(高速大容量)サー ビス「ヤフーBB」の顧客獲得を積極的に進めており、先行投資による費用発生 で損失が続いている。前期の赤字額はその前の03年3月期(約1000億円の赤 字)とほぼ同じ水準で、赤字計上はこれで3期連続となる。

ただ、第4四半期(今年1-3月期)の連結最終赤字額は134億円で、四半 期ベースでは、第1(赤字額は347億円)、第2(同426億円)、第3(同163 億円)と比べて、赤字幅は大幅に縮小した。また、04年3月期下期(2003年10 月-04年3月)の連結純損益は297億円の赤字。その前の03年3月期下期純損 益は442億円の赤字だった。

同社は05年3月期の見通しに関して一切、開示していないが、孫正義社長は 東証で行われた決算会見の席上、連結営業損益の月次での黒字化を「今下期中に 目指す」との意向を表明した。

ヤフーBB加入者数は407万人

ADSLを使ったブロードバンド(高速大容量)通信サービス「ヤフーB B」の加入者数は、03年度末の累計では当初の目標である400万人を突破した ものの、4月は2月下旬に発生した顧客情報の流出で、路上での配布を「相当自 粛した」(孫社長)。このため、7万3000人の純増にとどまり、合計では407 万6000人となった。ただ、「顧客情報の流出による解約はそれほど大きくない。 5月になって徐々に回復する」(孫社長)見込み。一方、国内トップのNTTは 409万人となっている。

ヤフーBBの加入者数については、すでに新たな目標として05年9月末で に600万人とする水準を掲げている。孫正義社長は2月の前期第3四半期(10- 12月期)の決算発表時に、コストが多少かさんでも顧客獲得数を伸ばすことを 優先する方針を打ち出している。

前3月期の売上高は03年3月期と比べ27.2%増の5174億円(03年3月期 は4069億円)、営業損益は549億円の赤字(同920億円の赤字)、経常損益は 719億円の赤字(同1098億円の赤字)だった。ブルームバーグ・データによる アナリストの平均では、売上高は約5050億円、営業損益は519億円の赤字、経 常損益は706億円の赤字がそれぞれ見込まれていた。

正社員4500人採用、情報漏えいを機に

ソフトバンクは今期、3000人の新卒と1500人の中途を合わせた計4500人 の正社員採用を実施する。「ユーザー数の伸びに比例して利益が伸びていくとい う(ヤフーBBの)ビジネスモデルに確信が持てるようになった」(孫社長)こ とから、大量採用に踏み切る。前期は中途については公表していないが、新卒採 用は125人だった。

また、顧客情報漏えい事件の発生もあり、情報管理を徹底するうえでもパー トや派遣の正社員化を進め、ロイヤルティの高い社員構成に切り替える。従業員 の純増数は1000人前後で、人件費への影響は中立という。

孫社長は「半年で入れ代わったりするなど、パートや派遣はトレーニングの 面からも時間がかかり、コストが高かった。生産性も正社員と比べ大幅な差が出 てくることがわかった」と述べ、「新卒を中心に1人当たりの単価は下がる。ト ータルコストのアップにはつながらない」との見方を示した。

10日午後に入って、ストップ安(値幅制限いっぱいの下落)となっていた ソフトバンク株は、前日比500円(10.5%)安の4250円、170万株の売り注文 を残したまま、取り引きを終えた。この日は売り気配で始まったあと、じりじり と値を下げ続けた。大引け時、東証1部の売買代金ランキングでは7位だった。

--共同取材:関岡智美、中島三佳子 Editor:Kaimai

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