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ドコモ:AT&Tワ株売却へ、6800億円でシンギュラーに-国内軸(2)

携帯電話世界2位のNTTドコモは、筆頭 株主として出資する米携帯電話企業AT&Tワイヤレスの株式を全株売却する。 同業の米シンギュラー・ワイヤレスがAT&Tワイヤレスを買収する交渉がま とまり、シンギュラーに持ち株を約6800億円程度で譲渡する。ドコモはシンギ ュラーとの提携を通じて米国市場での足場を確保することを検討する。

東証で17日夜に発表した報道資料によると、シンギュラーがAT&Tワイ ヤレスを買収することで、ドコモは「AT&Tワイヤレス株式が全て現金に交 換されるなど、AT&Tワイヤレスとの関係に影響を与えるものと予想される」 とコメントした。

このコメントについてドコモは「想定されている選択肢のなかで、AT& Tワイヤレスを売却する可能性が高いことを示している」(筒井利一・広報部広 報担当課長)と述べた。シンギュラーはAT&Tワイヤレス買収に際して1株 15ドルを支払う。ドコモはAT&Tワイヤレスに16%を出資する最大株主。

AT&Tワイヤレスにはこれまで1兆2000億円弱を投資、株価下落を受け て9000億円以上を減損処理しており、株式の価値は投資額の4分の1程度に下 がっている。今回の株式売却で4000億円程度の売却益が発生する計算になる。

ドコモ、国内FOMA拡販に注力

米国での第3世代携帯電話(3G)の普及を目指してドコモはAT&Tワ イヤレスに出資した。AT&Tワイヤレスの買収には世界最大の携帯電話会社 の英ボーダフォンも名乗をあげていたが、買収価格が上がる過程でボーダフォ ンは買収を断念した。

ドコモはAT&Tワイヤレスについて、多額の投資損失を計上したうえで ライバルに買収されるという最悪の事態は回避されたが、米国での出資を含む 拠点は失われることになる。今後の米国についてはシンギュラーとの業務提携 を軸に事業展開を進めることになり、経営資源は3G携帯「FOMA(フォー マ)」の拡販を中心に国内により傾注することになる。

富士投信投資顧問の岩本誠一郎ファンドマネジャーは、AT&Tワイヤレ ス株式売却でドコモは米国での足掛かりを失うとの見方が株価にマイナスにな る可能性を示した。同時に「成熟市場に近づいている北米よりも、東南アジア など成長市場に経営資源を集中した方が良いとの見方もある」と指摘した。

ドコモ株の17日終値は、前日比3000円(1.4%)安の21万9000円。

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