ホンダ:第3四半期純利益は2%減、円高と日米販売不振-予想(2)

ホンダの2003年度第3四半期(10月-12 月期)連結決算(米国会計基準)は、円高・ドル安の進行や国内、米国での販 売低迷などが響き、純利益が前年同期比2%減の1140億円程度となったもよ うだ。ブルームバーグ・ニュースがアナリスト5人の業績予想から中央値を算 出した。ホンダは30日に第3四半期決算を発表する。

算出結果によると、営業利益は同12%減の1410億円となる見通し。為替 市場では昨年9月20日の7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)以降、対 ドルで円高が進行。1月28日も1ドル=105円台半ばと2000年9月以来の円 高水準となっており、ホンダの04年3月期下期の想定為替レートである1ド ル=110円を上回って推移している。円高による業績への影響は避けられない。 主力市場である米国、国内における四輪車の販売不振も痛手となる。

米国販売はモデル末期が近づいているミニバン「オデッセイ」(日本名ラ グレイト)などの低迷により1.2%減の29万8476台。利益率の高いオデッセ イは18%近く販売台数を落としたほか、在庫も「シビック」を中心に高水準。 インセンティブ(販売奨励金)も「予算内の支出ながら、前年同期比ではかさ んだとみられる」(岡三証券の岩元泰晶アナリスト)。

国内販売は14%減の18万7259台。ミニバン「オデッセイ」が12月の新 車販売でトップ、「ライフ」も軽乗用車の新車販売で3カ月連続首位となるな ど全面改良した主力車が健闘。しかし、ブームが一巡した小型車「フィット」 など既存車種の落ち込みまでは補い切れず、全体では大幅な減少を余儀なくさ れた。

売上高は0.5%増の2兆円となる見込み。国内、北米での販売は落ち込ん だものの、欧州やアジアでの好調が下支えした格好だ。特に急成長を遂げてい る中国市場では、現地合弁会社の広州ホンダでの好調がけん引し、販売台数は 79%増の3万7312台と大幅な伸びとなった。

海外生産拡大で為替リスク回避

円高基調を受けて、ホンダは10月の中間決算発表時に業績予想の前提と なる為替レートを下期は従来の115円から110円に、通期については同117円 から115円にそれぞれ修正している。ホンダの営業利益は対ドルで「1円振れ るごとに年間約120億円の影響を受ける」(クレディスイスファーストボスト ン証券の遠藤功治アナリスト)。

ホンダ車の6割は海外生産。また、米国での販売台数の8割は現地生産し ているうえ、部品の現地調達率も高く、米国で生産する「アコード」は98%に 達している。今後も米アラバマ第2工場の稼働や中国での生産拡大が控えてお り、為替変動による影響を避けるため、海外生産比率は高まる方針。

通期純利益は12%増

算出結果によると、2004年3月期通期の連結純利益は前期比12%増の 4800億円となる見通し。会社計画(4700億円)を100億円上回り、3期連続 で過去最高を更新する。上期での米国販売の好調や、下期は新型オデッセイの 好調などが国内販売で下支え要因になる。中国を中心としたアジアでの販売も 引き続き堅調で持ち分法利益が拡大する見込み。

持ち分法利益の約8割はアジア事業が生み出しており、前期は619億円を 計上。青木専務は10月末時点のブルームバーグ・ニュースの取材に対し、連 結純利益を押し上げる関連会社の持ち分法利益が今期は最低でも16%以上伸び、 100億円以上拡大するとの見通しを示している。持ち分法適用会社は、中国の 広州ホンダのほか、インドのヒーローホンダ(二輪車製造・販売)、インドネ シアのPTアストラホンダモーター(二輪車のエンジン・部品の製造・販売) など。

売上高は同2.9%増の8兆2000億円で、会社計画(8兆2200億円)を 200億円下回る。営業利益は8.6%減の6300億円を予想し、会社計画(6230億 円)より70億円少ない見通し。第4四半期は一段の円高・ドル安進行が足か せとなるほか、前期で米東海岸での港湾ストが終了後、一時的に生産が膨らん だ反動も懸念されている。こうしたなか、引き続き注目されるのは国内と米国 市場の動向だ。

国内・米国市場動向

国内販売は今後、新型オデッセイの投入効果が本格的に寄与する見込みで、 これを契機に「底入れの兆しがみられる」(岡三証券の岩元氏)もよう。福井 威夫社長も昨年末のブルームバーグ・ニュースの取材に対し、前年同月割れが 続いている国内販売台数(軽自動車含む)が、オデッセイ効果により、今月に も本格的にプラスに転じる見込みであることを明らかにしている。

ただ、オデッセイ、ライフといった新型車が好調にもかかわらず、既存車 種の減少をカバーできずにいる販売力の弱さや、輸出の減少などで生産稼働率 が低下していることなどから、三菱証券の野口正太郎シニア・アナリストは 「国内の収益悪化は依然として止まっていない」と指摘する。

米国ではオデッセイがモデル末期に近づいているため、「販売台数を支え るためにインセンティブを積み増さなければならなくなる可能性もある」(三 菱証券の野口氏)ことなどにより、北米の収益も減益トレンドが続くとの見方 が出ている。昨年の販売をけん引したSUV(スポーツ型多目的車)「パイロ ット」、「エレメント」がいずれも2年目を迎えるため、台数減少も懸念され る。

2005年3月期以降は、国内では高級セダン「レジェンド」などの新型車を 投入するほか、米国では今秋オデッセイの全面改良などを予定する。だが、国 内は投入車種の市場規模が小さいことや、米国のオデッセイも昨年が月平均1 万3000台弱にとどまっていることから、新型車効果は慎重にみる必要がある。

ただ、米国ではオデッセイの全面改良後は「販売に弾みがつく」(岡三証 券の岩元氏)とみられている。また、05年初めには人気の高いライトトラック (ミニバン、SUV、ピックアップトラック)市場に2車種を新規投入し品揃 えを強化することなどもあり、「来期後半からは本格的に改善し始めるだろ う」(大和総研の持丸強志シニア・アナリスト)との声も出ている。

          【第3四半期連結業績見通し】

(単位は億円、カッコ内は前年同期比%、上段が2003年度第3四半期、下段
が2004年3月期通期)

 売上高   営業利益   税引前利益    純利益  ドル円 ユーロ円
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<アナリスト中央値>
20000(+0.5)    1410(-12)     1510(-5.0)    1140(-2.0)  115     130.5
82000(+2.9)    6300(-8.6)    6730(+10)     4800(+12)   113.5   129.5
----------------------------------------------------------------------
◎岩元泰晶・岡三証券アナリスト
20180(+1.4)    1430(-10.1)   1570(-1.1)    1180(+2.5)  115   132
82890(+3.0)  6830(-1.0)    6800(+11)     5050(+18)   116   129
----------------------------------------------------------------------
◎持丸強志・大和総研アナリスト
19699(-1.0)    1380(-13.2)   1610(+1.4)    1200(+4.2)  115   131
81210(+1.0)    6110(-12)     6760(+10)     4902(+14)   112   130
----------------------------------------------------------------------
◎野口正太郎・三菱証券アナリスト
20000(+0.5)    1420(-10.7)   1420(-10.5)   1100(-4.5)  110   125
82000(+2.9)    6300(-8.6)    6550(+7.4)    4500(+5.5)  110   125
---------------------------------------------------------------------
◎遠藤功治・クレディスイスファーストボストン証券アナリスト
20300(+2.1)   1400(-11.9)    1450(-8.6)    1100(-4.5)  110   130
82700(+3.0)   6500(-6.0)     6700(+9.0)    4800(+12)   110   130
---------------------------------------------------------------------
◎カート・サンガー・アイエヌジー証券アナリスト
19900(±0.0)   1420(-11)       NA (-)      1069(-8.0)  117   132
81020(+1.0)    6070(-12)       NA (-)      4714(+10)   115   132
--------------------------------------------------------------------
     【02年度第3四半期実績と04年3月期通期会社予想】

(単位は億円、カッコ内は前年同期比%、上段が02年度第3四半期実績、
下段:04年3月期の通期会社予想)

 売上高   営業利益   税引前利益    純利益  ドル円 ユーロ円
----------------------------------------------------------------------
19892(+13.3)   1590(+2.7)   1587(+31.7)    1152(+40.0)   121   116
82200(+3.1)    6230(-9.6)   6480(+6.3)     4700(+10.2)   115   127
----------------------------------------------------------------------

ホンダの株価は前日比40円(0.9%)安の4440円(午前9時4分現在)。

--* 東京 白木 真紀 Maki Shiraki (813) 3201-7644

井上 加恵      Kae Inoue

mshiraki1@bloomberg.net Editor:Hinoki

業界別ニュース:JBN17

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