訂正:コスモ石:製品販売は計画上回る-C重油増、負債削減は進まず

コスモ石油の2004年3月期の石油製品販売は暖冬 の影響で灯油が前期を下回るものの、ガソリンが堅調に推移していることや電力向けC 重油の販売が伸びていることから、会社計画を上回りそうだ。一方、重要課題である有 利子負債の削減については、04年度に償還を迎える社債の返済資金を借り入れたことも あり前期末並みにとどまる見通し。木村弥一副社長が19日までにブルームバーグ・ニュ ースとのインタビューで明らかにした。

同社の今期の灯油販売は前の期が厳冬だった反動もあり、前期比5.2%減を計画し ている。ただ、暖冬の影響で昨年12月の灯油需要の落ち込みが大きく、10-12月期の 灯油販売は前年同期比で約20%減と大きく落ち込んだ。逆に暖冬の影響でドライブ需要 が喚起され、10-12月期のガソリン販売は前年同期を4-5%程度上回ったという。

さらに、原子力発電所トラブル隠しの影響で東京電力の全原発17基のうち、稼働し ているのは現在も5基にとどまっていることから電力向け需要がおう盛で、C重油は4 -12月期の累計で前年同期比12%増と2ケタの伸びとなった。今期の石油製品全体の販 売計画は前期比3.2%減の4380万キロリットル。同社では灯油販売の落ち込みをC重油 が補うことで、計画を上回るとみている。

その一方で販売数量の増加が利益に結びつくかは不透明だ。野村証券の塩田英俊ア ナリストは「前期の灯油市況は前半非常に良かったが、今期はその利益が丸々なくなるだ ろう。原油高がマージン圧縮要因となっており、販売数量で見たイメージよりも利益は 悪くなっている」と指摘。会社側が04年3月期の連結営業利益を前期比24%増の300億 円を見込んでいるのに対し、同証券では市況の悪化などで前期比17%減の200億円と減 益を予想している。

今期末の負債残高は横ばい

利益が落ち込めば、コスモ石油にとって重要課題である有利子負債の削減計画にも 影響を与えかねない。04年3月末の連結有利子負債残高は、05年3月期中に償還を迎え る社債の返済資金を借り入れたこともあり前期末の5626億円並みにとどまる見通し。今 期から開始した中期経営計画では07年3月末までに連結ベースで5200億円までの負債 削減を目指している。負債削減原資として計画には織り込んでいない神戸油槽所跡地な どの資産売却について木村副社長は「話はあるが確定的なことはない」と話す。

野村証券の塩田アナリストは「負債削減のペースを上げるべきで、設備投資案件をど れだけ見送れるかのバランス感覚が必要」と指摘する。コスモ石油は07年3月期までの 3年間で1110億円の設備投資を計画しており、同期間の減価償却費793億円を約300億 円上回る。

木村副社長は「環境関連投資やカタールの新規油田開発など先行投資が重なっており 投資が一段落すれば負債はもっと減らせる」と述べ、利益が計画以上に出れば負債を減ら していくが、中計期間中は投資を優先させるため、負債削減のペースに拍車がかかるの は2007年度以降になるとの見通しを示した。

コスモ石油の株価終値は前日比変わらずの236円。

--*東京 鈴木 偉知郎 Ichiro Suzuki (81)(3)3201-8594

ジュリー・テイ Julie Tay isuzuki@bloomberg.net Editor:Abe

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