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ソニー:MDで新規格-最大45時間録音、ネット配信向け狙う(3)

ソニーは8日、現行のMD(ミニディス ク)に2倍のデータを書き込みできる新規格を開発し、最大45時間の音楽を 録音・再生できるMDを6月までに日米欧で発売すると発表した。ハードディ スク(HD)や小型半導体メモリーよりも安価な記録媒体として携帯機器向け に幅広く採用を呼びかけていく。

MDやCD(コンパクトディスク)などの光ディスクは光の波長を短くす ることで記録密度を高めるが、ソニーの新規格「Hi-MD」は、光の波長の 長さを変えずに記録密度を高める「磁壁移動検出方式」という新技術を採用し た。またCD並の高音質の録音が可能で、データの転送レートが現行MDより

3.5倍と高速なためインターネットを利用した音楽ソフトのダウンロードに適 している。

会見に出席したインターネットによる音楽ソフト配信会社「レーベルゲー ト」の高堂学社長は、「米国では米アップルコンピュータなどによる合法的な 音楽配信サービスが普及することでファイル交換ソフトの利用者が急減してい る」として、音楽のネット配信が普及すれば違法コピーが減少するとの見方か ら「Hi-MDは音楽のネット配信普及の強力な助っ人」と期待した。

新規格は画像も記録・再生できるほか、不正な複製を防止するための著作 権保護技術も盛り込んだ。ソニーは他社にも新規格の採用を働きかける。すで にシャープとケンウッドが規格採用を検討している。

日本では新規格に対応した再生・録音装置と記憶容量が1ギガ(ギガは10 億)バイトと大容量のMDを6月に発売する。希望小売価格は携帯型ヘッドホ ンステレオが3万円から、ステレオ用再生・録音機器が6万円、MDが700円。 同種の製品を米国では4月に、欧州では4-6月に同水準の価格で投入する。

携帯型機器向け記録媒体としてはハードディスクや小型半導体メモリーと 競合するが、「ハードディスクは構造的に落下などの衝撃に弱い」(ソニー・ ネットワークCE開発研究所の荒瀧裕司氏)うえ、1枚数千円と高額な半導体 メモリーよりも安価なのが利点。また、MDはソニーが1992年に開発した 「ソニーの宝の技術」(同氏)であり、パソコンやデジタルカメラなどデジタ ル機器向け記録媒体として延命を図りたいとの開発意図もある。

中央三井アセットマネジメントの鈴木誠・運用第一部シニアファンドマ ネージャーは、ソニーの新MDについて「使い勝手がよくなるうえ、これまで 液晶テレビやDVD(デジタル多用途ディスク)で他の日本メーカーの後手に 回っていたソニーが他社に先行して発売する点は評価できる」と述べた。

同時に「メディアとしてのMDの位置付けが今後どうなるか、といった点 はまだ不明」とも付け加えた。鈴木マネージャーはソニー株を保有しているが、 評価は「アンダーパーフォーム」(株価がTOPIXの動きを下回る)として いる。

ソニーは1992年にカセットレコーダーに代わる記録メディアとしてMD を発売。同社によると、MDウォークマンの世界市場は2003年度に前年度比 16%増の710万台に上る見通し。このうちソニーの生産出荷台数は同27%増の 420万台を計画しており、6割近いトップシェアを目指す。MDの市場規模は 世界で年間2億枚超。累計8000万台のMD機器と11億枚のMDが普及してい る。ソニーは同700万枚のMD生産能力を持つ。

ソニーの株価は、前日比20円(0.5%)安の3790円(午後1時43分)。

--*東京 竹本 能文 Yoshifumi Takemoto

上野 英治郎 Eijiro Ueno (813)3201-8841

ytakemoto@bloomberg.net Editor : Okubo

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