エネ研:04年のWTI原油は20-30ドル超、イラク生産動向に左右

日本エネルギー経済研究所は19日、2004年の原油 価格見通しを発表した。石油輸出国機構(OPEC)の減産効果が出にくいなど第2四 半期(4-6月)にかけて供給過剰圧力が高まり、代表的な価格指標であるウエスト・ テキサス・インターミディエート(WTI)原油の年間平均価格で1バレル当たり26- 27ドル前後と、03年の平均に比べ4-5ドル下落する可能性が最も高いと指摘した。た だ、イラクの原油生産の回復状況によっては同30ドルを超えるケースや、同20ドルま で下落するとの3パターンを予想している。

「基準ケース」では、イラクの原油生産が現在の日量190万バレルから緩やかに増加 し、04年末に同250万バレルに達することなどを前提とした。その場合、ロシアなどの 非OPEC諸国の生産増加が見込まれることもあり、第2四半期には世界の原油需給バ ランスは過去5年の平均に比べ、日量100万バレル多い同240万バレル程度の大幅な供 給過剰状態も見込まれるなどと指摘。そのため需給緩和が進むことで、WTI価格は同 四半期を中心に下落し、年間平均で26-27ドル前後になる可能性が一番高いとしている。

一方、「高価格ケース」では、イラクの原油生産が04年を通じてほぼ現状並みにとど まるなどの状態を前提とした。現在、同国南部のバスラターミナルからの原油輸出は能 力限界の水準にまで達しているという。一方、北部の油田から輸出するにはトルコ向け パイプラインの稼働再開が必要となるが、そのためには治安回復が前提となる。治安回 復が進まない場合、イラク北部からの原油輸出が進まず、ナイジェリアやベネズエラな どの主要産油国での供給支障なども重なった場合には、04年のWTI価格は1バレル当 たり30-32ドルと03年並みの高水準を見込んでいる。

イラクの生産が予想以上のペースで回復した場合が「低価格ケース」。同国の生産能 力自体は高いため、日量300万バレル程度にまで回復するなどした場合には、需給バラ ンスは大幅に緩和し、WTI価格は20-22ドル前後まで下落するとみている。

イラク戦争後、同国では4カ月で日量100万バレル程度の増産を実施しており「かな り無理をしているとの懸念もある」(日本エネルギー経済研究所・エネルギー動向分析室 の小山堅室長)。ただ、イラクのウルーム石油相は4日、北部油田からの原油輸出を来 年の第1四半期(1-3月)に再開する可能性があると述べている。

--*東京 鈴木 偉知郎 Ichiro Suzuki (81)(3)3201-8594 isuzuki@bloomberg.net Editor:Abe

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