ソフバンク:通信投資で中間純損失773億円-四半期営業損は縮小(5)

ADSL(非対称デジタル加入者線)通信事業 国内2位のソフトバンクの中間決算は、連結純損失が773億円(前年同期は558億 円)に拡大した。ブロードバンド(高速大容量)通信事業「ヤフーBB」の顧客獲得に 伴う先行投資がかさみ赤字が続いている。

東証で10日発表した9月中間決算は、ブロードバンド事業の拡大で連結売上高 は前年同期比18%増の2255億円に増加した。一方でその顧客獲得費用から営業損失 は394億円(前年同期は312億円の損失)、経常損失は536億円(同460億円の損 失)に膨らんだ。損益項目が赤字になるのは中間期として3期連続。

ADSLを使ったブロードバンドのヤフーBBで新規顧客獲得、シェア拡大を優 先させる狙いから、報奨金(インセンティブ)を積み上げており、赤字が続いている。 ブロードバンド事業の営業損失額は497億円(前年同期は313億円)に増えた。

あおぞら銀行の売却により104億円の有価証券売却損(現金は差し引き500億 円の収入)が発生、株式売却益の計上も抑えたことから特別利益が減少、特別損失は拡 大して純損失を膨らませた。中間純損失について大和総研の上野真・企業調査第二部シ ニアアナリストは500億円と予想しており、これを大きく上回った。

ヤフーBBの加入者数は10月末で339万9000人と前月末比で15万1000人 増加した。

四半期での営業損失は縮小傾向

第2四半期(7-9月期)の連結純損失は426億円の赤字になった。売上高は 1215億円、営業損失151億円、経常損失230億円。四半期業績の開示は今期からだ が、営業損失は前期の第4四半期(337億円)を底に改善傾向にある。今期の第1四 半期は241億円の営業損失だった。

ブロードバンド事業は顧客獲得費用を除くと期間損益は6月に黒字に転換し、7 -9月期では34億円の営業利益を上げた。さらに広告といったブロードバンド以外の 事業は営業黒字が拡大している。このため、計算上は新規顧客の獲得を停止して、顧客 数を維持さえすれば、営業損益は黒字に転換する。

UFJつばさ証券の曽根基春・エクイティ調査部シニアアナリストは、ソフトバ ンクのような顧客積み上げ事業は顧客水準が異なってくるため、中間期との比較ではな く四半期決算で分析するべきと指摘した。そのうえで、7-9月期の営業損失などが減 少していることから「顧客は順調に拡大しており、赤字も順次減ってきている。予想通 りの決算である」と評価した。

記者会見したソフトバンクの孫正義社長は、現時点では引き続き顧客数を増やす 意向を示した。ヤフーBBの顧客数は今期末に400万人という目標を掲げている。月 間の顧客増加数がNTTグループを上回っていることから、孫社長は「もうしばらく市 場の様子をみながら獲得費用で無理をせずに顧客を伸びしていきたい」と述べ、シェア 拡大方針を変えていないことを強調した。

ソフトバンクの株価終値は、前週末比580円(11%)安の4810円。

--*東京 上野 英治郎 Eijiro Ueno (813)3201-8841

鈴木 恭子 Kyoko Suzuki e.ueno@bloomberg.net Editor :Okubo

企業ニュース:JBN18

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