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御手洗キヤノン社長:米国型企業統治に「異議あり」-人事はローカルで

デジタルカメラ世界2位、キヤノンの御手 洗冨士夫社長は21日、都内での講演で、日本と米国では文化や社会の仕組みが 異なることから、日本企業に米国型企業統治はなじまないとの持論を主張、米 国型企業統治の日本企業への導入に改めて異議を唱えた。

キヤノンは日本企業に従来みられる「監査役制度」を続けている。御手洗 社長は、経営上での開発、ファイナンスやマーケティングといった分野では国 際的であるべきだと前置きしたうえで、「人間、人事のことはローカルがいい、 ローカルであるべきだ」と力説した。

その背景として、日本と米国では社会が大きく違うと説明し、日本は「均 質」とそれを保障する「平等」が支配する一方、米国は「競争」とそれを可能 にする「フェア、公正」が社会を貫く哲学であると分析した。

こうした違いのなかで御手洗社長はキヤノンについて、「日本の企業であ り、日本の考え方から出られないし、出る必要もない」と強調。そのうえで「日 本には日本の文化に支えられた合理的なシステムがあり、米国には米国のシス テムがある」として、日本企業として一番合理的な経営をしているに過ぎない と述べ、監査役制度を続ける意思を示した。

自ら23年間も米国で働き、生活した経験がありながら「米国は尊敬してい るけれども好きではない」と断言。また、経営破たんしたエンロンやワールド コム、ニューヨーク証券取引所(NYSE)のチャード・グラッソー前会長の 高額報酬を例に挙げ、米国企業の監査委員会と報酬委員会についても「機能し ているとは思えない」と批判した。

NYSEのグラッソー会長は、1億4000万ドル(約160億円)という破格 の報酬公表後、1カ月足らずで辞任に追い込まれた。

米国型企業統治は、「委員会等設置会社」に移行して取締役会に指名(人事)、 報酬、監査の3つの委員会を設置、社外取締役の登用を義務付ける。この委員 会とは別に執行役も任命して監督と執行を分離する企業統治の形態。日本企業 が一般的に導入している監査役は置かない。米国型企業統治は、日本ではソニ ーや日本テレコムホールディングスなどが導入している。

御手洗社長は、「映像機器企業からIT企業への変革~『デジタル・シフト』 を支えたキヤノンの企業DNA」(日経フォーラム世界経営者会議)というテー マで講演した。

キヤノンの株価終値は、前日と同じ5430円。

--*東京 上野 英治郎 Eijiro Ueno(81)(3)3201-8841 e.ueno@bloomberg.net Editor : Okubo

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