訂正:自動車株ほぼ全面安、G7声明受けた円急騰で-ホンダ下落(5

自動車株が全般に大幅安となった。20日の 7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)声明で「一層柔軟な為替相場が望まし い」との新たな見解が盛り込まれたのを受けて、為替相場が一時1ドル=111円 台と2000年12月以来の円高・ドル安を記録したことから、円高による収益悪化 懸念が一段と強まった。

ホンダは前週末比410円(8.0%)安の4750円で取引を終了、下落率は東証 1部で7位だった。トヨタは同240円(6.5%)安の3460円と急落して取引を開 始、終値は190円(5.1%)安の3510円とやや戻した。日産自は64円(4.8%) 安の1265円、三菱自が11円(3.9%)安の274円、マツダが14円(4.6%)安 の291円で取引を終えた。主力取引銀行などによる金融支援報道のあった日産デ ィーゼル工業を除き、自動車関連株はほぼ全面安だった。

UBS証券の中西孝樹アナリストは、「これまでは日銀の市場介入で自動車 各社の為替リスクを下支えしてきた面があったが、G7の声明によってこのシナ リオが揺らついてきている」と指摘。為替トレンドについて、中西氏は「“流 れ”がまだ本格的に変わったとはいえない」とみるものの、今まで米国市場での 販売好調などを受けて自動車関連株が買われ株価が上昇してきただけに、円高を きっかけとした「株価の調整があってもおかしくない」との見方を示した。

現地生産や為替予約で円高の影響は当面、限定的?

ホンダ広報部、波多野裕史氏は「世界各地で部品や製品を製造しているため、 昔ほどの影響は受けない。むしろ商品力や技術力が勝負の時代だ」などとして、 当面は円高による大きな影響はないと強調する。またトヨタ自動車広報部の藤田 もに香氏は為替相場の収益への影響は「ヘッジの仕方や各国通貨の動向によって 変わってくる」とし、単純に説明できないとしている。

各社が2004年3月期連結業績予想の前提としている為替レートは、日産自、 三菱自が1ドル=120円、ホンダが1ドル=117円、トヨタ、マツダが1ドル= 115円など。為替相場は111円台を記録した後はやや値を戻し、112円台を回復 している。午前11時8分現在、1ドル=112円21銭となっている。

みずほインベスターズ証券の河合敦アナリストによると、2003年3月期で トヨタでは1円の円高が営業利益ベースで250億円程度の減益要因となった。ま た日産自動車、ホンダで100億円程度だった。もし円高傾向が長期化すると、利 益の目減りだけでなく、米国での販売価格の値上げを通じた販売台数の減少とい う形で各社の収益に影響が出てくると指摘する。

ただ岡三証券、岩元泰晶アナリストは、自動車会社のなかでも「大手3社の 場合は利益の水準が高く、米国での現地生産の比率も高いため、円高の影響は相 対的に小さい」としたうえで、「懸念されるのは三菱自動車、マツダ、富士重工 業などへの影響」と指摘する。同氏によると、三菱自は今期の米国販売台数34 万台のうち現地生産は20万台、富士重は22万台のうち約半分、マツダは33万 台のうち10万台程度であるため、大手3社に比べ円高の影響を強く受ける。

これに対し、マツダ広報部は、確かに他社に比べると現地生産の比率が低い が、ヘッジや海外からの部品調達によって、影響を緩和する努力をしているとし て、現地生産の比率が、そのまま円高の影響の大きさになるわけではないと強調 する。

いずれにしても、各社とも向こう数カ月間にわたり為替先物によって為替変 動リスクをヘッジしているため、「為替の影響による収益計画の見直しをすると すれば、中間期の決算発表をする11月の半ばごろ」(富士重広報部の村田信一 氏)となるとみられる。

東京 白木 真紀 Maki Shiraki

竹内 カンナ Kanna Takeuchi --* (81)(3) 3201-7644 mshiraki1@bloomberg.net   Editor:Hinoki

企業ニュース:JBN18

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