コンテンツにスキップする

訂正:届くか株主の声-株価の下落を受けて「物言わぬ株主」に変化

東証上場企業の3分の2を超える1174社 が27日、株主総会を開いているが、ことしの傾向として株主から経営の透明 性や役員報酬などについて会社側に厳しい要求を突きつけ、長時間化する例が 増えており、日本的な「物言わぬ株主」の伝統に変化の兆しが見えてきた。

原子力発電所のトラブル隠しが明らかになった東京電力が26日に開催し た株主総会では、半額に減額されたとはいえ役員報酬が支払われることなどに 対し、会社の姿勢を問いただす株主からの質問が続出した。

26日までに株主総会を開いた企業の中では、UFJホールディングスが2 時間58分(昨年2時間15分)、東京電力が3時間31分(昨年2時間51分)、 新日本製鉄が2時間15分(昨年1時間45分)、全日空が2時間33分(昨年 2時間13分)、トヨタ自動車が2時間8分(昨年1時間44分)と昨年に比べ て所要時間が長くなっている。

株主総会を経営の失策の責任追及の場ととらえ、厳しい要求を突きつける 投資家の代表格が、2兆円の国内株式を保有する厚生年金基金連合会だ。同連 合会は昨年来、ほかの年金資金の運営担当者と協力して企業への発言力を高め る方法を検討している。同連合会の矢野朝水専務理事は「メガバンクのように 影響力のある企業には特に厳しくする」と意気込みを語る。同連合会は3期連 続赤字かつ無配企業の経営者の再任や退職慰労金の支払いに反対するなどして 経営責任を追及する方針だ。

こうした投資家グループが増えた背景には歯止めのない株安がある。日経 平均株価は3月末までの年間に28%下落した後、4月には20年ぶりの安値を 付けた。その後株価は17%戻したとはいうものの、株主の怒りは収まらない。

株主の圧力がみずほフィナンシャル・グループの役員報酬の開示のように 成果に結びついた例もある。平均で報酬は約1700万円、賞与はゼロ――。不 良債権処理と株式評価損の計上により、2兆3800億円という日本企業として 史上最悪の赤字を計上した後の決断だった。

個人投資家協会理事長で経済評論家の長谷川慶太郎氏は「経営者は透明性 のない経営をしていると株価に影響するというプレッシャーを感じており、以 前より経営戦略についても抽象論ではなく具体的な開示をするようになってき た」と語る。

ただ、株主の要求が実際に会社を動かした例はまだほとんどない。年金基 金連合会の矢野氏も「まだわれわれの要求が通ったことはない。今回の株主総 会でも無理だろう。もっと同調者を増やしていかなくてはいけない」と述べ、 「物言う株主」が経営に大きな影響を及ぼすにはまだ時間がかかるとの見方を 示した。

東京 Tim Kelly

竹内 カンナ Kanna Takeuchi

桜井 勉 Tsutomu Sakurai --* 03-3201-8969 ktakeuchi@bloomberg.net Editor:Okimoto/Murotani/Ozawa

業界別ニュース:JBN17

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE