中東産ドバイに先安感、20ドル割れも-OPEC生産枠拡大で供給過剰

石油輸出国機構(OPEC)は24日の緊急総 会で日量200万バレルの減産を決定した。市場関係者の間では、減産に一定の評価を下 すものの、生産枠が日量90万バレル拡大したことで供給過剰感の払しょくには至らない との見方が目立つ。アジア地域の価格指標となる中東産ドバイ原油の価格見通しについ て、昨年2月以来となる1バレル当たり20ドルの大台割れとなる見方も出ている。

特にアジア地域では、イラク戦争や中国を中心に拡大している新型肺炎、重症急性 呼吸器症候群(SARS)の影響で、航空機向けのジェット燃料需要が落ち込むなど、 原油需要は伸びていない。兼松・エネルギー部の菅栄治副部長は「WTI(ウエスト・テ キサス・インターミディエート)原油価格や北海ブレント先物価格との格差が広がる可 能性が高く、(ドバイ原油は)20ドルを割り込むこともある」と述べた。

OPECの合意によると、イラクを除く加盟10カ国は生産量を現行の日量2740万 バレルから同200万バレル減産することを決めた。石油連盟の岡部敬一郎会長(コスモ 石油会長兼社長)は25日、コメントを発表し「OPECの迅速な対応により、不需要期 である第2四半期(4-6月)においても、大幅な原油価格の下落は生じないものと思 われる」と一定の評価を示した。

OPECバスケット価格も22ドル割れの可能性大

ただ、現行の生産枠は日量2450万バレルで今回合意した200万バレル減産の結果、 生産枠は90万バレル増の日量2540万バレルと、生産枠拡大を追認した格好となった。 市場関係者の事前見通しでは、生産枠の余剰分を削減し、日量2450万バレルの生産枠を 順守することで合意するとの見方が強かった。出光興産の天坊昭彦社長は、生産枠引き 上げについて「予想に反する」とのコメントを発表。「日量200万バレルの減産でも第2四 半期の在庫は大きく積み上がる絵になる」とし、供給過剰状態は続くとの認識を示した。

第2四半期以降の需給バランスを考えた場合、日量2540万バレルでは 「150万-200 万バレル程度は供給過剰」と、中東経済研究所の中村玲子・主任研究員は指摘する。中村 氏は、供給過剰状態が続くことからOPECが指標とするバスケット価格(7油種の平 均価格)見通しについて「目標価格帯の下限である22ドルを割り込む可能性もある」との 見通しを示す。

24日の中東産ドバイ原油価格は、前日比0.79ドル安の1バレル23.30ドル。OP ECが指標とするバスケット価格(7油種の平均価格)は23日時点で前日比1.10ドル 安の1バレル25.14ドル。

東京 鈴木 偉知郎 Ichiro Suzuki --* (03) 3201-8594 isuzuki@bloomberg.net Editor:Abe

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