OPECが協調増産の可能性-市場関係者には懐疑的な見方も

最近の原油価格高騰を受けて、石油輸 出国機構(OPEC)が増産に踏み切る公算が大きくなった。サウジアラビア は、OPEC加盟国全体で日量150万バレルから200万バレルの増産を支持し ているとされ、原油価格の上昇を抑制する動きが加速している。OPECが指 標としているバスケット価格(7油種平均)は、昨年12月27日に1バレル当 たり31ドル台に乗せ、それ以来、目標とする価格帯(プライスバンド制で22 -28ドル)を上回っている。

原油価格が上昇した要因は、ベネズエラでゼネストが発生から2カ月目を 迎え長期化の様相を見せていることや、米軍が兵力を中東に集中させるなどイ ラク情勢の緊張が高まっていることが挙げられる。さらに、米東海岸一帯が先 月、寒波に見舞われ大雪となるなど、暖房用の石油製品需要が高まっているこ とも相場押し上げ要因となっている。

市場関係者の間では、石油製品の需要期が今年3月ころまでであることに 加え「イラクへの攻撃が短期間で終了した場合、原油価格が大幅に下落する可 能性がある」(エース交易の総合企画部・堺敏昭主任)とし、大幅な増産に踏み 切りにくいとの指摘がある。さらに、ひまわりCX・ホームトレードセクショ ン企画調査課・緒方史法係長はイラク情勢の緊張などにより、ニューヨーク商 業取引所(NYMEX)のWTI原油(ウエスト・テキサス・インターミディ エート)相場が42ドルまで上昇する可能性が高いと分析する。

一方、原油価格の上昇は日本の石油元売り会社にとって、調達コストの増 加につながる。石油元売りで構成する石油連盟の河原一夫調査役は「末端市況 は価格競争が激化しており、原油コストの上昇を転嫁しずらくなっている」と いう。このため、原油価格の上昇分を石油製品に転嫁できなければ、業績悪化 要因になりそうだ。

東京 浅野 文重 Fumishige Asano --*03-3201-7137 fasano@Bloomberg.net Editor:Abe

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