日本でもアナリスト・レポートの規制強化-証券界が米での事件に対応

日本証券業協会は、証券会社のアナ リストの特定企業に関するレポートに関して、新規上場などで主幹事を務めた 証券会社のアナリストは一定期間、株式格付けを公表できなくするなどの規制 を強化することを決めた。米国で、投資銀行部門の収益への配慮のためアナリ ストが投資評価をゆがめたとして規制が強化されたのに対応した。

米国では20日、シティグループなど10社がこの問題で、当局に14億ドル の和解金を支払うことで合意するなど、証券界の屋台骨を大きく揺るがす問題 に発展した。日証協は、会員証券会社の意見を聞いたうえで、来年1月の理事 会で、最終決定する見通し。日証協会員部の岡田高明部長が25日、明らかにし た。

新しいルールによると、アナリストは、1)新規上場で主幹事を務めた会 社のレポートで、上場日から10日間、株式の格付けや目標株価を公表できない、 2)株式などの募集や売り出しで主幹事を務めた場合には1年間、その旨をレ ポートに掲載しなくてはならない、3)アナリストが投資銀行部門に所属する ことや報酬を投資銀行部門から受けることも禁ずる――となっている。

一方、レポートの対象となった企業からの圧力を防止するため、アナリス トが発表前のレポートの内容を、その企業に知らせることは禁止される。米国 では発表の前日の取引終了後は知らせることができる、とされており、この点 では、日本の方が米国より厳しい。

米国では、アナリストがマスコミで特定の企業について発言する場合、本 人だけでなく家族も、その企業の株式を保有していないことを明らかにするこ とを求められるが、日証協はこうした規制は見送った。

ルールの厳格化について、日本証券経済研究所の須藤時仁主任研究員は「今 は関心が高いので、証券会社もアナリストも自主規制するだろう。だが、企業 が、証券会社やアナリストに圧力をかけないよう規制策を打ち出さなければ問 題の根本的な解決にはならない」として、発行体企業に対する規制が必要、と 指摘した。

また、野村証券業務管理部の稲光清高課長は「日本で唯一の、アナリスト と投資銀行部門とのあり方についての規制」と評価しながらも、日証協の会員 でない証券会社系リサーチ・センターなどのアナリストは対象にならない」と して、証券会社のアナリストだけの規制では不十分との見方を示した。

原題:Japan to Tighten rules on Stock Analysts, Taking Cue from U.S. 東京 日向 貴彦 Takahiko Hyuga 翻訳 竹内 カンナ Kanna Takeuchi --* 03(3201)8969 ktakeuchi@bloomberg.net Editor:Kaimai