昭和シェル:灯油輸入を上積み-東燃ゼネとの精製研究は来春稼働(2)

ロイヤル・ダッチ・シェル・グループ の昭和シェル石油は、灯油輸入量を上積みする。予想に反する今年の冬の寒さ で暖房用の需要が急速に膨らんでおり、シンガポールや韓国からの輸入計画を 2割程度上方修正する。昭和シェルの佐竹正价副社長が11日、明らかにした。

灯油輸入量は第4四半期(10-12月期)で当初12万キロリットルを予定し ていたが、これを14万-15万キロリットルに増やす。自社の精製設備は稼働率 が9割を超えて実質フル稼働になっており、シンガポールの輸出拠点を活用す るほか、韓国からの輸入も検討している。

昨年の第4四半期の灯油輸入量は6000キロリットルで、今年の輸入量は最 大で前年同期比25倍にも膨らむことになる。需要については販売を手掛ける特 約店からのオーダーが活発に入っているという。灯油の在庫が相対的に少なか ったことも輸入量の上方修正につながった。

製油所の稼働率は上期(1-6月期)実績で91%、通期(1-12月期)で も同水準かこれをやや上回るとしている。冬の気温といった外部環境にも左右 されるが、2003年の第1四半期(1-3月期)にも相当量の灯油を輸入する可 能性があり、今後、具体的な数量を詰めていく。

大和総研の佐久間和博アナリストは、昭和シェルの灯油輸入強化について、 電力向け需要増加で各社はC重油を増産、その影響で軽油が不足する。その軽 油の不足を補うために灯油が不足すると分析、貿易量が多い灯油の輸入は適当 な選択と評価した。

東燃ゼネラルとの精製効率化研究、来春に事業立ち上がり

エクソン・モービル・グループの東燃ゼネラルと進めている石油精製効率 化での共同研究事業は、来春4月に稼働する予定。神奈川県の昭和シェル京浜 製油所と東燃ゼネラル川崎工場をパイプライン2本で結び、東燃ゼネラルがC 重油といった重質油を昭和シェルに送る。昭和シェルは最新設備を備えた京浜 製油所でその重質油をガソリンや灯油といった白油にして送り返す。

昭和シェルはジャパンエナジー(新日鉱ホールディングス)と包括提携し ているが、パイプラインで製油所を結ぶのは東燃ゼネラルが初めて。佐竹副社 長は「いまは詳細を詰めている」と述べ、精製量や油種といった内容を今後決 めていく方針を示した。

昭和シェルと東燃ゼネラルの精製効率化研究は、政府も関与している「石 油コンビナート高度統合運営技術研究組合」(通称RING)の一環で、その成 果が来春から出てくることになる。佐竹副社長は「販売ではしのぎを削る」と 強調しながら、精製面では他社と一段の効率化の可能性を模索する方針を示し た。

国内石油会社の石油精製設備は現在、日量497万バレルの処理能力がある。 これに対して国内需要は400万バレル程度と能力を2割近く下回っている。設 備過剰に対応して新日本石油と出光興産は10日、互いの設備能力削減と精製分 野への提携拡大を発表した。

出光興産は19万バレル、新日石は1万バレルを削減するが、それでも業界 全体の設備能力過剰は解消されない。需要の急速な盛り上がりが期待できない なかで、石油各社の精製分野での協業が広がる可能性がある。

昭和シェルの株価は、前日比3円(0.39%)高の760円(午後1時31分)。

東京 上野 英治郎 Eijiro Ueno --* (03) 3201-8841 e.ueno@bloomberg.net Editor : Ozawa

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