新日本石油、出光興産:精製分野に提携拡大-原油処理能力は削減(5)

石油元売り最大手の新日本石油と2 位の出光興産は、原油の精製分野に提携関係を拡大する。需要減少を受けてと もに原油処理能力を削減することで、相対的に供給能力が大きく落ち込む出光 興産に新日石が製品を供給していく。

2社は10日、個別に記者会見して提携強化を発表した。先に会見した出光 興産の天坊昭彦社長は、兵庫製油所(兵庫県姫路市、処理能力は日量8万バレ ル)を2003年4月末、子会社の沖縄石油精製の製油所(沖縄県与那城町、同11 万バレル)は2004年春をめどに停止することを明らかにした。

削減する処理能力の日量19万バレルは、現在の処理能力の約23%に相当す る。設備停止により約200億円の特別損失が発生、2003年3月期から処理して いく。一方、設備保全費などで年60億円のコスト削減を見込んでいる。

原油処理能力を大幅に削減する出光興産は、日量で8万バレル分の製品が 不足する。このうち半分の4万バレルについて新日石から製品供給を受ける。 残りの4万バレルについては国内市場で調達する。出光興産は2002年度からの 中期経営計画を明らかにした4月、製油所の閉鎖を含めた精製体制について年 内に発表するとの方針を示していた。

新日石、差し引きで1万バレル能力削減

続いて記者会見した新日石の大森輝夫常務は、出光興産への製品供給を開 始すると前置きしたうえで、需要減少に対応して原油処理能力を日量1万バレ ル削減すると発表した。出光興産への供給は同社が設備を停止する2003年4月 から10年間を予定している。

新日石自身の能力削減については根岸製油所(横浜市、能力は日量36万バ レル)で2万バレル、大阪製油所(高石市、同12.5万バレル)で1万バレルを 計画、同時に出光興産への製品供給などで水島製油所(倉敷市、同23万バレル) は2万バレル能力を引き上げる。

4万バレルの出光興産への供給と1万バレルの能力削減で、新日石の設備 稼働率は87%(2003年3月見込みで83%)に上昇する。

新日石と出光興産は1995年に物流分野で提携した。今回精製部門にも提携 関係を広げることで、生産効率化を図り、コスト競争力を一段と強化する。

新日石はコスモ石油と包括提携している。新日石、コスモ石、出光興産の 包括提携の可能性については「いまのところはこれ以上のことは考えていない」 (出光興産の天坊社長)、「次のことについては全く話し合われていない」(新 日石の大森常務)としている。

新日石の株価は、前日比5円(1.1%)高の477円(午後1時23分現在)。 出光興産は非上場で、2006年度上期での上場を表明している。

東京 上野 英治郎 Eijiro Ueno

林 純子 Junko Hayashi

柯王 郁子  Ikuko Kao

野々宮 莉莉 Lily Nonomiya --* (03) 3201-8841 e.ueno@bloomberg.net Editor:Okimoto

企業ニュース:JBN18

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