東京大気汚染訴訟:国や都などに7920万円賠償命令-東京地裁(3)

共同通信の報道によると、東京都内 のぜんそく患者ら99人が自動車の排ガスによる大気汚染で病気になったとして 国と都や自動車メーカー7社などに22億円余りの損害賠償と汚染物質の排出差 し止めを求めた「東京大気汚染訴訟」で東京地裁は29日、原告の訴えの一部を 認めて国や都などに賠償を命じた。

東京地裁の高橋利文裁判長が国などに命じた賠償額は、未認定患者1人を 含む7人分で総額7920万円、未認定患者への賠償を認めたのは初めてとしてい る。一方では自動車メーカー7社への請求は棄却したという。また報道による と、汚染物質の排出差し止め請求は認められなかった。

この判決について扇千景・国土交通大臣は、賠償請求が一部認められたこ とから「国にとって非常に厳しい内容」などとする談話を発表した。トヨタ自 動車などのメーカーは、自社の主張が認められた判決と評価したうえで、引き 続き環境技術開発の手を緩めないといった趣旨のコメントを発表した。

共同通信によると、この裁判で原告は「汚染物質の排出が格段に多いディ ーゼル車の生産を拡大してきたメーカーは道路公害の元凶」と大気汚染訴訟で は初めて自動車メーカーの責任も問い、1996年に提訴していた。

さらに原告は都心をクモの巣状に走る100本余りの幹線道路からの「面的 汚染」による被害を訴えていたという。これに対し国などは排ガスとぜんそく などの因果関係は明らかになっていないと反論し、各メーカーも責任を否定し ていたという。

【判決に対する各メーカーのコメント】 トヨタ自動車(広報部、報道資料):「当社の主張が認められたものであり、妥 当な判決が下されたと思う。いずれにせよ、当社は従来より、経営の重要課題 として環境対策に取り組んできており、今後も引き続き、技術開発に積極的に 取り組んで参りたい」

日産自動車(菅慶太郎・広報部報道担当):「当方の主張が認められた結果であ ると考えます。当社は従来から排ガス浄化などの環境問題について重要な経営 上の課題として取り組んできており、今後も引き続き技術開発に一層の努力を 払う考えでおります」

三菱自動車工業(広報部、報道資料):「当方の主張が認められたものと思いま す。いずれにせよ、当社は従来から環境対策に取り組んできており、今後も引 き続き環境技術の開発に積極的に取り組んでいきます」

東京 上野 英治郎 Eijiro Ueno --* (03) 3201-8841 e.ueno@bloomberg.net Editor:Hinoki

企業ニュース:JBN18

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