大阪府がRCCに移った中小企業を支援-自治体で初の「再生」プラン

大阪府は、整理回収機構(RCC)と 協力し、中小企業支援制度を創設する。RCCが銀行から買い取った不良債権 の、借り手である府内の中小企業を対象に、府が貸し倒れリスクを負うことで、 金融機関に運転資金の融資を促し、RCCに移ったあとの「企業再生」を目指 すのが狙いだ。

大阪府がいわば中小企業の保証人となるのが、この制度の骨格だが、府は 今年中にも具体的な枠組みを決め、来年度予算に計上、早ければ来年度からの 施行を目指す。地方自治体がRCCと協力し、こうした中小企業支援策の検討 を開始したのは大阪府が初めてとなる。

国も同様な支援策を検討中だが、その対象は大企業になる可能性が高い。 このため、地方は置き去りされる可能性が大きいとして、大阪府は独自制度の 策定を急ぐ。また、こうした動きは他の自治体にも波及する可能性が高い。

大阪府金融課総括主査の遠藤孝司氏が18日までにブルームバーグ・ニュー スに明らかにしたところによると、金融機関がRCCに売却した債権は、RC Cがその大半を資産売却などで回収するため、事実上、経営破たんするケース が多く、再建の道が閉ざされていた。

大阪府とRCCは、こうした企業の将来性を再検討し、再建が可能と判断 された場合には、RCCが債権の回収を猶予し、銀行団が府の保証をもとに、 運転資金を融資する。遠藤氏は「つなぎ資金の融資だけでなく、経営コンサル ティングなども制度に盛り込む。民間でファンドを組成するなど資本面での支 援も検討していく」としている。

景気悪化に伴う法人税収の減少などで府の財政状態は一段と悪化している。 多額予算の計上は難しいことから、国の中小企業支援策なども一部活用しなが ら、独自制度を策定したい考えという。

中小企業の集積地である東大阪市の商工会議所の今谷喜洋専務理事は、従 来、RCCに移行した企業は信用力の低下から資金調達ができず、大半が倒産 していた点を強調したうえで、「この制度によって、再建の可能性があると判断 されれば失った信用を取り戻すことができる。大変ありがたい」と評価し、実 現に期待を示した。

商工会議所としても、年末の資金需要を控え、「保証協会や政府系金融機関 に対し、土地や保証人など従来の担保主義に基づく融資条件や査定方法を、企 業の独自技術や経営者の経営感覚、従業員などの資産、事業の計画性なども加 味したものに変えてほしい、と要望していく」と語った。

大阪 山口 由香 Yuka Yamaguchi --* (03)3201-8200 yyamaguchi@bloomberg.net Editor:Kaimai

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