「コンビニ・キャッシング」が本格化-ATM利用拡大は新たな起爆剤?

店内に設置された銀行ATMや多機能 端末で、消費者ローン借り入れができるコンビニが今夏から一段と増える見込 みだ。すでに銀行系2社が先行しているが、8月には消費者金融専業7社が、 セブンイレブン内のアイワイ(IY)バンクATMを使えるようになる。「コン ビニ・キャッシング」時代が本格的なスタートを切る。

消費者金融業界では、大半が24時間営業であるコンビニがローン貸し出し 拠点に加わることで、利用者の利便性が一段と高まるとみている。また、今や 日常生活に不可欠な存在となっているコンビニで、顧客がキャッシングできる ようになれば、借り入れ時の“羞恥心”などが薄まり、貸出残高が一段と伸び るなど新たな起爆剤になるとみている。

大手のプロミス広報部、吉田隆昭氏は「入出金ができる拠点が、究極的に は9000拠点も増えることになる。そのうえ、メインターゲットとする20歳台 がよく利用する」と、コンビニATMへの期待を語った。

ただ、モルガン・スタンレー証券の佐々木太アナリストは「消費者金融業 者にとってプラスかマイナスかといえばプラスだが、資金需要自体が減ってお り、利便性が高まったからといって、貸出残高はそう簡単には積み上がらない だろう」と厳しい見方を示した。

IYバンクの端末数は4000台

コンビニに設置されたATMで借り入れができるのは現在は2社。この春 まではアットローン(旧さくらローンパートナー)の顧客に限られていた。顧 客はエーエム・ピーエムに設置されている三井住友銀行のATMを使用。アッ トローンに続いて参入したのが、東京三菱キャッシュワン。ファミリーマート などの店舗に設置されたイー・ネットの端末を利用している。

アットローンは関東350店、関西50店のエーエム・ピーエムの店舗で借り 入れができる。利用時間は午前9時から午後8時半までだ。キャッシュワンは ファミリーマートやサンクス、サークルKなどのコンビニに設置された金融機 関の共同ATMであるイー・ネットの端末を利用できる。

ただ、端末全部ではなく、東京三菱銀行が管理を行っている端末に利用が 限られるが、それでも現在、約900台になる。コンビニの営業時間によるが、 24時間営業の店舗では、そのほとんどの時間に利用できる。

これに加えて、8月に、武富士、アコム、プロミス、アイフル、三洋信販、 GEコンシューマー・クレジット(レイク)、シティファイナンシャル・ジャパ ン(アイク、ディックファイナンス)の計7社。これらの顧客がセブンイレブ ンのIYバンクATMを利用できるようになる。IYバンクの端末数は7月11 日現在4081台にのぼる。

「羞恥心や罪悪感が軽減」

金融機関ATMも長時間営業が増えている。金融機関と消費者金融会社と のATM提携も広がっているため、これまでも、消費者金融の顧客が夜中に借 り入れができなかったわけではない。

例えば、第3位のプロミスは都銀2行、信託銀行1行、地銀100行などと 提携し、自社ATM約1800拠点のほか約5万5000拠点のATMで借り入れが できる。

アイワイバンクATMでの入出金が可能になることにより、拠点数がさら に拡大する。これまで午前零時までだった利用可能時間も、さらに長時間化す ることになる。

しかし、消費者金融業界がコンビニに期待するのは、こうした拠点数や営 業時間上の利便性向上だけではない。「コンビニは若者が気軽に出入りするとこ ろだ。銀行預金を引き出すのと同じATMで借り入れができるので、羞恥心や 罪悪感などを軽減できる」と、プロミスの吉田氏はコンビニの利点を強調した。

東京 竹内 カンナ Kanna Takeuchi

伊藤 小巻 Komaki Ito --* 03-3201-8969 ktakeuchi@bloomberg.net Editor:Kaimai