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あす株主総会集中日:2000社超が開催、歴史的赤字に変化する株主の目

企業経営者が年に1度、投資家や株 主の審判を仰ぐ定時株主総会が27日、開催のピークを迎える。昨年に比べて集 中度合いはやや緩和されたが、2000社を超える企業が全国で一斉に総会を開催 する。決算で歴史的な損失額を計上した企業に投資家・株主の視線は厳しさを 増している。警察庁では企業の要請に応じて警察官を出動させて全国で警戒に 当たる。

警察庁と東京証券取引所(東証)の集計によると27日に株主総会を開くの は全国で2010社(昨年のピークに比べて95社減)、東証上場企業では1313社 (同32社減)。東証での3月期決算企業の76.5%がこの日の総会を予定してい る。この比率は昨年の79.5%に比べると低下したが、ほぼ4社に3社の総会開 催が27日に集中する。

個別企業ではNTT、日本テレコム、雪印乳業、フジタ、長谷工コーポレ ーション、松下電器産業、三菱東京フィナンシャル・グループ、大和銀ホール ディングス、三井住友銀行、大京、日本航空、全日本空輸などが総会を予定し ている。

ブルームバーグ・ニュースの集計によると、全国の取引所上場企業(2215 社)の2002年3月期決算は1兆7007億円の連結純損失を計上した。景気低迷 による本業悪化に加え、株式評価損やリストラによる損失が足かせになった。 NTTの連結純損失は8121億円に達し、事業会社の過去最高の赤字を記録した。

各企業はこうした決算を踏まえた利益処分案(配当金や役員賞与など)や 退任役員への慰労金(退職金)について株主の承認を得る。警察庁は約1900社 の要請に応じて全国で5600人の警察官を出動させ、株主総会で不法行為がない かどうかの警戒に当たる。

株主・投資家の姿勢に変化

全国の証券取引所に上場している企業の投資主体別の持ち株比率(2002年 3月末、金額ベース、東証発表)では、持ち合い解消の流れから銀行(都銀、 長銀、地銀)の持ち株比率が8.7%と1.4ポイント低下、生命保険も7.5%と0.7 ポイント低下した。

一方、投資信託は3.3%、年金信託は6.0%といずれも0.5ポイント増加し た。個人投資家も19.7%と0.2ポイント増え、外国人投資家も18.3%と0.5ポ イント低下しながら高水準だった。

傾向としては銀行や生命保険といった持ち合いで株式を保有しており、あ まり「物を言わなかった株主」から、投信・年金や外国人といった投資収益を 求める「物を言う株主」の株式保有比率が増えおり、企業は一段と経営の説明 責任や株主価値の向上への圧力にさらされている。

5月の東京スタイル(2月期決算)の株主総会で、実質的な筆頭株主の村 上世彰氏が会社に大幅な増配を要求したのは株主の姿勢変化を象徴する出来事 といえる。村上氏の提案は総会で否決はされたが、今後の株主総会のあり方に 一石を投じた。

大和証券投資信託委託の藤原正史ファンドマネジャーは、今回の株主総会 について「イベントという面が強く、特に投資の材料になるとは思わない」と 前置きしたうえで「東京スタイルの株主総会では、株主側の要求は否決された ものの、同社のケースをきっかけに、今後は従来の従業員や大株主の意見が尊 重される流れが段々と出てくるとみている」と述べた。

さらにソニーの株主総会で、株主から役員報酬の個別開示などの議案が出 されたことをあげ「株主の経営に対する姿勢にも変化が出ており、前期(2002 年3月期)の厳しい決算についてかなり追及の声が挙がった企業もあった。今 後はこういった株主の方を向いた経営を求める動きが一段と加速しよう」と株 主総会の変化を予想した。

【取引所上場企業のブルームバーグ決算集計】(-は赤字またはマイナス、単 位:百万円、当期2002年3月期、次期2003年3月期)

売上高 営業利益 経常利益 当期利益 当期実績 484,386,612 18,380,118 11,219,306 -1,700,772 当期/前期 -2.1% -23.5% -48.2% ------- 実績/予想 10.1% - 11.3% 4.0% 次期予想 490,500,065 - 21,221,203 11,109,395 次期予/当期 1.3% - 89.1% -------

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