雪印乳:全農が最大50億円増資引き受け-牛乳合弁の筆頭株主にも(3

経営再建中の雪印乳業は5日、100億 円を予定している第三者割当増資に対して、全国農業共同組合連合会(全農) が50億円を限度として引き受けることで合意したと発表した。全農は雪印乳が 分離する牛乳(市乳)事業の合弁会社の筆頭株主にもなる。

この牛乳事業の合弁会社は、資本金約150億円で2003年1月1日に設立す る。出資比率は全農が40%(筆頭株主)、雪印乳が30%、全国酪農業協同組合 連合会(全酪連)が20%、農林中央金庫が10%。新会社の社名や役員人事など は8月までに決定する。新会社の売上高規模は年間2300億円、2004年度には営 業利益ベースで単年度黒字化を目指す。

18工場から15工場に集約

統合に伴い、18工場体制から15工場に集約を進める。雪印(現在11工場) では9月末に倉敷工場(倉敷市)を閉鎖することを決めたほか、全酪連子会社 のジャパンミルクネット(同3工場)は神戸工場の閉鎖を検討。また、全農子 会社の全国農業直販(同4工場)も1工場閉鎖を視野に入れている。

新会社は2000人体制でスタートするため、統合により約3000人となる従 業員については、1000人程度削減する計画だ。全農の四ノ宮孝義・代表理事専 務は「それぞれの会社が努力して(人員を)減らす」と述べた。ただし、削減 の詳細については明らかにしなかった。

さらに、全国の営業所68カ所(雪印32、ジャパンミルク23、全農直販13) についても「地域で重複しているところがある」(同氏)として、30カ所程度に 集約する計画だ。

こうした効率化により、1人当たりの生産量は統合前の317キロリットル から458キロリットルに上がると同時に、1人当たりの売上高も8700万円から 1億1300万円に増加するとみている。

また、既存の農協(全農系)、全酪(全酪系)、雪印の各牛乳ブランドは継 続する方針。同時に「来年4月の新製品発売に間に合うように、新ブランドを 固めたい」(四ノ宮氏)とており、共通の新ブランドも構築する考えだ。ただ、 新ブランド名は「白紙」(同)という。

新会社の売上高規模は業界トップ

新会社の売上高は2300億円と「業界トップになる」(雪印の西紘平社長)。 それぞれの売上高を単純合計すると「2600億円程度になるが、最悪のトレンド を見て、売上高を固めに設定した」(四ノ宮氏)という。

西社長は「今の牛乳市場は乱れた価格。本来の牛乳の価値以下の価格で市 場形成されている」と述べたうえで、「新会社は売上高3000億円を超す力があ る」とし、こうした規模の大きさを生かし、市場価格の適正化を図っていきた いとしている。

新会社は牛乳以外の事業展開も検討

雪印の西社長によると、新会社では牛乳の宅配を利用した事業展開を検討 している。「高齢化が進み、宅配は必要なチャネル。運ぶ機能にいかにプラス アルファをつけるか」(西社長)としており、「米や加工品などが宅配ルートで 売れる」として、将来的には牛乳以外の製品も宅配ルートに乗せて販売したい 考えだ。

雪印乳の株価終値は前日比7円(5.38%)高の137円。

東京 堤 紀子 Noriko Tsutsumi --* (03) 3201-8950 ntsutsumi@bloomberg.net Editor:Hinoki/Ushiroyama/Ozawa

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