【起債評価】住宅公庫RMBS、需要予測実施で投資家の裾野広がる

住宅金融公庫は4日、住宅ローン担保 証券(RMBS)1000億円を募集した。今回は、年間発行額が前年比3倍とな る2002年度初の起債。共同主幹事の野村証券(事務)とクレディスイスファー ストボストン証券(CSFB)が入念な需要調査を実施したことで、幅広い投 資家層に順調に販売が進んだ。

住宅公庫のRMBSでは初の需要予測

今回の住宅公庫債は、昨年度の起債と比較して、1)1回の発行額が2倍の 1000億円となったこと、2)主幹事が募集に先立って指名されたことが異なる。 2002年度から大幅増となるRMBSの円滑な販売を考慮し、起債運営が大きく 転換した。

昨年度の起債では、利回りベースで入札を実施し、募集当日に主幹事が決定 した。このため、引受競争の激化から、発行条件が市場実勢を反映してないとの 指摘もあり、購入に消極的な投資家もあった。

野村証デット・キャピタル・マーケット部によると、同社とCSFBは5月 22日から30日までの間、投資家へのプレマーケッティングを実施した。一気に 発行額が倍増したことに加え、8月以降に予定されている起債へ順調につなげる ことを意識しながら、住宅公庫債を円滑に消化できる市場レベルを模索した。

5月31日のシ団説明会を経て、第1回目の需要予測を開始した。需要予測 のレンジは、国債(239回債)流通利回りプラス0.55-0.6%、表面利率では1.95 -2.0%。1回目の需要予測は6月3日午後に締め切った。

1回目の需要予想の結果を踏まえて、4日午前、2回目の需要予測を開始し た。仮条件は国債(239回債)利回りプラス0.55%。同日10時すぎに発行条件 は、表面利率1.94%、発行価格100 円で決定した。

生保や都銀、地域金融機関が購入

共同主幹事を務めたCSFBは「需要予想を実施したことで、これまで住宅 公庫債の購入を見送っていた投資家も、積極的に購入を検討する向きがあった」 (深沢歩シンジケート部長)という。すでに住宅公庫債への投資実績がある投資 家の間では、投資額を増やす傾向がみられたという。

住宅公庫がRMBS発行を増加させ、市場活性化を図る方針を明確化したこ とで、今後は参加者が本格的に増加する、と予想する大手機関投資家もあった。

野村証デット・キャピタル・マーケット部によると、発行額の約8割は生保 や都銀など大手機関投資家が購入した。また、信金・信連など地域金融機関の件 数の多さが目立ったという。さらに、損保、地銀、系統金融機関上部も投資家層 に加わった。

2002年度の起債総額は6000億円

住宅公庫は2002年度、総額6000億円のRMBSを発行する予定。証券化市 場では最大規模の発行体となり、市場活性化を図る。今回の6月債を皮切りに、 8月、10月、12月、2003年2月、合計5回の発行で、当初3回は発行額1000 億円、12月から2回は1500億円とする。

住宅公庫はすでに当初3回分の引受主幹事を指名している。次回はゴールド マン・サックス証券と大和証券SMBC、3回目はUFJつばさ証券と日興ソロ モン・スミス・バーニー証券がそれぞれ共同主幹事を務める。

発行額が1500億円に増加する12月債と2003年2月債の主幹事は未定。当 初3回の起債状況を勘案して、主幹事を指名する方針だ。

財投資金に依存しない資金の自己調達を目標に、住宅公庫は2001年3月か ら住宅ロ-ン債権の証券化を始めた。2001年度は3カ月毎に500億円、年間2000 億円のRMBSを発行した。

東京 小田 真理子  Mariko Oda --* myasu@bloomberg.net (03)3201-8377 Editor:Kaimai

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