M&A仲介:野村がトップ、事業再編など手掛ける-第1四半期(2)

2002年1-3月期の日本企業が関わる M&A(買収・合併)の仲介・助言業務(公表案件ベース、金額)で、野村ホ ールディングスが、18案件、約60億ドル(約8000億円)を取り扱い、トップ となった。ブルームバーグ・ニュースのランキング調査で明らかになった。

野村は、松下電器産業グループや地方の製造業のリストラクチャリング(事 業の再構築)に絡んだ案件を手掛け、2位の日興ソロモン・スミス・バーニー (4案件、約36億ドル)を大きく引き離した。野村(証券)は同期間の国内事 業債の主幹事引き受け競争でも、17件(6650億円)を獲得、トップとなってい る。

産業界の再編に新たな収益機会

この期間のM&A案件では、企業グループ内の部門や子会社などの再編・ 統合などを通じて、より収益力の高い分野に経営資源を集中する傾向が明らか になった。そうしたなかで、M&A助言などを手掛ける証券会社や銀行も新た な収益機会をうかがっている。

野村では「日本企業は何がコア(核)となるビジネスかを見極め、経営資 源を投入していかないと、グローバルな競争では勝てない」(企業情報部の木村 賢治次長)とみており、「全社がAからZまでの全て(の部門)を持つという時 代は終わった」と指摘する。

野村は、松下電産が計画していた1000億円を上限とする自社株買いの実施 と、その株式を活用(株式交換)したグループ会社の子会社化のほか、日立グ ループでも親会社の日立による35億円の増資で、日立電子エンジニアリングの 持ち株比率を61%まで高める案件も助言した。

株式の売却案件が目立つ

日興ソロモンは2位にランクイン。欧州の関連会社が野村グループの持つ 欧州の大手パブ・チェーン、ユニーク・パブ社とボイジャー・パブ・グループ の2社(4300店舗を展開)をエンタープライズ・インスが率いる投資家に売却 した案件などを助言した。

モルガン・スタンレー・ディーン・ウィッターは、ソニーが1億1400万ド ルを投資し、アイワ株の保有比率を39%まで高める案件を担当して3位に食い 込んだ。企業の再編などに伴い株式の売却(主要株主の異動)に関する案件が 目立っている。

この期間の取引案件数は、1投資銀行当たりで3.5件と前年同期の5.6件 から減少した。1案件当たりの平均取引金額も9億900万ドルから8億6000万 ドルに低下した。

海外勢による日本企業への投資も期待

その一方で、野村の木村氏など各社のM&Aの担当者は、日経平均株価が 過去1年半で約35%下落するなど株価の低迷もあり、今年はさらに海外の投資 家が積極的に日本企業に投資すると予想している。

最近の外国勢の絡む案件では、米小売大手のウォルマートが西友株式の

6.1%を取得するほか、米AIGグループとオリックスが共同で富士火災海上株 を42%取得するなどの案件が表面化している。

外資系アドバイザーの間でも、「多くの国際的企業が日本市場への参入機会 (の拡大)をうかがっており、環境は整いつつある」(プライスウォーターハウ ス・クーパーズ・トランザクション・サービス部のトッドソン・F・ページ・ パートナー)との見方が広がっている。

●2002年1-3月期のM&A仲介ランキング・上位20社

仲介金額 案件数

1. 野村ホールディングス 5981 18

2. 日興ソロモン 3597 4

3. モルガン・スタンレー 3595 4

4. アーサー・アンダーセン 2975 3

5. ウエストドイチェLB 739 1

6. みずほホールディングス 646 15

7. デロイト・トーシュ・トーマツ 629 2

8. ドイツ銀行 561 3

9. ドレスナー・クラインオート 550 1

10. HSBC 480 1

11. ゴールドマン・サックス 445 1

12. J.P.モルガン 445 2

13. 大和証券SMBC 330 14

14. メリルリンチ 188 2

15. UBSウォーバーグ 135 1

16. プライス・ウォーターハウス 82 1

17. 日興コーディアル 65 2

18. あさひ銀行 26 1

19. 三菱東京FG 21 4

20. ING 4 1 注)仲介金額の単位は100万米ドル、データは2002年3月31日までの3カ月 間の公表案件。

東京 平野 和 Kazu Hirano

日向 貴彦 Takahiko Hyuga --* 03-3201-3220 khirano1@bloomberg.net

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