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ドコモ社長:海外事業の評価損は「期末で必要な会計処理」(2)

(背景など追加しました)

東京 3月28日(ブルームバーグ):NTTドコモの立川敬二社長は28日 の定例記者会見で、同社が2002年3月期連結決算で米携帯電話大手のAT&T ワイヤレスなど海外出資先の株式評価損を特別損失として計上する可能性につ いて、「期末で必要な会計処理をしたい」と述べた。

同日付の日経新聞は、携帯電話国内最大手である同社が海外出資先の株価 下落のため、2002年3月期連結決算で1兆円程度の特別損失を計上する見通し となったと報じた。

しかし、立川社長はこれまでの海外投資で減損が発生する可能性について 「ルールに照らして処理していく」と述べるにとどめた。同社長は英国とオラ ンダの未上場企業への投資分については、「第三者に託して価値をはじいてもら う」と付け加えた。

同社長は今月1日、ニューヨーク証券取引所上場に伴い訪米した際に、す べての海外投資先企業の価値を見直し「必要ならば、減損処理を行う」方針を あらためて明らかにしていた。同日はロンドン証券取引所でも上場を果たした。

厳格な資産評価は評価できるとの見方も

ドコモが海外事業の株式評価を計上することについて、投資家などからは、 「きちんと評価して経費として落とした方がいいものは、落とした方がいい」 (アイエヌジー投信のチーフ・インベストメント・オフィサー、水野秀昭氏)、 「評価損を計上することは、資産などを厳格に測定しているという点で、評価 できなくはない。特別損失計上はネガティブだが、財務面では資産圧縮効果が ある。相対的に資産効率が上がる面もある」(みずほ証券のシニアアナリスト、 高橋篤朗氏)と、評価損の計上はむしろプラス材料との意見も聞かれる。

こうした見方を反映してか、この日ドコモの株価は上昇、終値は前日比1 万3000円(3.75%)高の36万円となった。富士投信投資顧問の岩本誠一郎・ 株式運用部ファンドマネジャーは、「AT&Tワイヤレスなどが急落していたの がみえていたので、これらを織り込んでドコモも下落していたが、足元の株価 はしっかりしている」と述べた。ただ同氏はやはり「大きな特別損失の計上は 厳しい」と付け加えた。

海外通信バブルの崩壊で特別損失は1兆円規模に

日経新聞によると、特別損失が膨らむ結果、今期の連結純損益は1000億円 前後の赤字(前期は3655億円の黒字)に転落する見通し。1999年以来、ドコモ は約1兆8000億円を欧米・アジアの携帯電話会社5社に投じて、資本提携を進 めてきたが、欧米などの通信バブルの崩壊で、98年の上場以来、初めての最終 赤字が避けられなくなる見込みだと伝えた。

ドコモは1999年以降、グローバルな事業拡大を念頭に、欧米、アジアの携 帯電話会社に総額約1兆8000億円を投資してきた。うち、AT&Tワイヤレス には昨年1月、98億ドル(当時の為替レートで約1兆1000億円)を出資した。 昨年12月には、AT&Tワイヤレスが同業のテレコープ買収に伴い新株を発行 したことから、16%の持ち分を維持するために、3億8000万ドル(約490億円) の追加出資を行った。

通信不況を受け、投資先企業の収益悪化が深刻化するなか、ドコモは2001 年9月中間期にオランダの携帯電話大手KPNモバイル(ドコモの出資比率は 15%)の投資評価損2620億円の計上を余儀なくされた。

AT&Tワイヤレスの株価はニューヨーク証券取引所で8.70ドル。ドコモ の株式保有簿価の約23ドルに比べて約6割下落している。これから計算すると、 同社株に対する評価損は約7000億円程度とみられる。

約1850億円を投じた英ハチソン3GUKにはKPNモバイルも出資してい る。KPNが2001年12月期にハチソン3GUKに対する損失計上を行ったた め、同じく1000億円前後の評価損を計上する可能性がある。

約670億円を出資している台湾のKGテレコムは未上場だが、昨年末に第 3世代携帯電話の事業免許の申請を取り下げており、企業価値が低下したと判 断されることから、数100億円規模の評価損計上は不可避のようだ。

海外戦略は不明確との声も

ドコモのこれまでの海外展開について、ベアリング投信投資顧問の小林聡 ファンドマネジャーは、第3世代携帯電話は設備投資負担も大きすぎるうえ、 投資に対するリターンがはっきりしないことから、「海外で第3世代携帯電話が らみの投資をするというのはどうか」と懐疑的な見方を示す。「ドコモは第3世 代のブームに乗ってしまった面もあり、戦略が明確でない。技術が走り始めて しまって、止められないのではないか」と指摘、ベアリング投信ではドコモを アンダーウェートとしている。

東京 矢沢 利弘 Toshihiro Yazawa

今泉 綾子 Ryoko Imaizumi

鈴木恭子 Kyoko Suzuki ニューヨーク 河合美奈子 Minako Kawai --* (03)3201-8982 tyazawa@bloomberg.net Editor:Okimoto

業界別ニュース:JBN17

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