日証金:新たに貸株料年0.4%徴収、空売り規制強化-東証足並み(3)

証券会社向けの貸借取引で最大手の 日本証券金融は19日、空売りのために証券会社に株券を貸し出す際に新たに年

0.4%の貸株料を徴収すると発表した。「貸借取引貸株料」を新設したもので、 5月7日の約定分から空売りの約定代金に料率をかけた金額を日々徴収する。 金融庁からの空売り規制強化の要請を受けた対応で、東京証券取引所も同様に、 証券会社から報告を受けている空売りの総額を公表する方向で検討を開始した。

空売りは、投資家が持っていない株券を証券会社(証券金融会社)や他の 投資家から借りて売る取引手法。投資家と証券会社間での信用取引(一般信用 と制度信用)、証券会社が自社で調達できない株券を証券金融会社から借りる貸 借取引、さらに投資家が機関投資家から直接株券を借りる手法もある。

空売りコストが上昇

金融庁はこの空売りが日本株の下落を加速させているとして2月26日に規 制強化策を公表した。これを受けて日証金は19日、貸借取引での貸株料新設を 発表した。年0.4%の貸株料を支払う証券会社は、この利率に一定割合を上乗せ した料金を空売りする投資家から徴収するため、投資家は空売りのコストが上 昇することになる。

同様の措置は大阪証券金融も19日に発表しており、中部証券金融も20日、 年0.4%の貸株料を5月7日から徴収すると正式に発表した。

東証の土田正顕社長は19日の定例会見で、信用取引で証券会社が投資家に 上乗せする料金について、信用買いと信用売りの顧客について「公平性を欠く ことのないように配慮しなくてはならない」と発表した。金融庁の空売り規制 強化を受けた対応で、実質的には投資家が信用売り(空売り)をする際のコス ト上昇に結びつく措置になる。

東証、空売り総額を公表

東証の土田社長はまた、空売りの総額を公表する方針も表明した。月間の 空売り額を一定期間後の翌月に発表することになる。この点については大阪証 券取引所が19日、4月から毎月空売り額を公表すると発表しており、東証も同 様の対応になりそうだ。

空売り規制については金融庁がまず昨年12月21日、信用売りの明示・確 認義務を発表し、今年2月8日にも金融庁が直近株価以下での空売り禁止(3 月6日実施)を発表した。政府は2月27日の総合デフレ対策の一項目として「規 制・監督・監視上の対応を徹底・強化」を盛り込んでいる。こうした一連の対 応策を受けて19日、日証金、大証金や東証、大証が足並みをそろえて一段の具 体策を打ち出すことになった。

松井証券の渡辺将志・経営企画部課長は、日証金の貸株料新設について「国 内証券の自己売買部門(ディーラー)や外国人などの投資家にとってはコスト 増につながり、インパクトがある」と述べた。同時に「空売り規制を強化する ことは、マーケットの健全性を歪めることにつながる」と指摘した。

一方、投資会社のM&Aコンサルティングの村上世彰代表取締役は、貸株 料があったとしても、0.4%程度では(投資家は)あえて空売りをやめようとは 思わないのではないか、と効果に疑問を投げかけた。

東京 上野 英治郎 Eijiro Ueno

井上 徹二 Tetsuji Inoue

日向 貴彦 Takahiko Hyuga 大阪 藤元 茂 Shigeru Fujimoto --* (03) 3201-8841 e.ueno@bloomberg.net Editor : Hinoki/Ueno

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