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三菱電、東芝:第3世代携帯電話の開発で提携-合弁設立も視野(4)

三菱電機と東芝は13日、第3世代(3 G)携帯電話端末を共同開発することで合意したと発表した。高機能化のため 開発負担が増大している3Gの分野で、開発体制の強化と効率化を狙う。

この日会見した三菱電の谷口一郎社長は、「3G端末を単独で開発し、事業 を行うには、多くの困難が予想される」として、提携を通じて、技術者の確保 および技術力の確立、性能・価格・品質といった製品競争力の強化などの課題 を克服したい考えを示した。

これに対して、日本投信の森本喜也シニアファンドマネジャーは「ネガテ ィブでは決してないが、両者とも(苦しい状況からの)突破口を狙っていると いうのがみえる」として、提携を評価するには、どの程度効率性を上げるのか、 成長力を高めるのかが明確に示される必要があると語った。

またハイテク調査会社・日本ガートナーグループの光山奈保子アナリスト は「第3世代携帯電話の具体的な(サービス展開)スケジュールが見えている のは日本のみなので、(提携の)効果はすぐに出るものではない」と指摘した。

開発合弁も視野-世界標準化狙う

東芝と三菱電はまず4月から技術者を集め、開発を担う合弁会社の設立も 視野に入れた体制を整える。両社の携帯電話部門に加えて、半導体部門も参加 し、まず数十人規模で立ち上げる。三菱電の無線技術や暗号技術、東芝の動画 圧縮技術やパソコン関連技術などを持ち寄り、2003年末には技術評価機を完成 し、2004年春の製品出荷を目指す。

特に、通信方式の異なる地域でも使えるデュアル端末用に、半導体からア プリケーションソフトウエアまでを含むプラットフォームを開発し、世界標準 化を目指す。具体的には、欧州やアジアで主流のGSM方式の通信網と、NT Tドコモなどが展開しているW-CDMA(広帯域符号分割多元接続)方式の 通信網の両方に対応した端末の開発に着手する。

流通網の共有は「時期尚早」-ブランドも個別に

両社は共同開発の成果を受けて、欧州や中国など海外市場での商品展開な どについても連携を検討する。海外市場では、三菱電が欧州、東芝が米国を中 心に事業展開しており、補完関係にある。ただし、流通網の共通化については、 現時点では「時期尚早だ」(三菱電機の中西道雄常務)として、今後の検討課題 だと述べるにとどめた。

東芝の岡村正社長によれば、ブランドもそれぞれに継続する。岡村社長は 生産面での協力については「これから最適(な方法)を考えていきたい」と述 べた。

世界シェアで5位浮上も

野村証券金融研究所によると、2001年の携帯電話市場での三菱電機のシェ アは2.8%、東芝は1.9%で、両社を合わせると4.7%と、NECや松下電器産 業グループを上回り、エリクソンの6.7%に続く5位となる。

東芝の2002年3月期の携帯電話出荷台数(PHSを含む)は640万台と、 前期の870万台を下回る見込み。同事業の業績は公表していない。三菱電は携 帯電話事業で大幅赤字に陥っており、年末までにフランスの開発・製造・販売 会社を閉鎖し、生産は中国の関連会社に移管する計画を発表するなど、事業再 編を進めている。

3G端末の開発ではすでに国内で1位と2位のNECと松下電産グループ が昨年8月に提携を発表。今年2月にはCPU(中央演算処理装置)を2つに 増やした基本構造を、共同開発の成果として公表済みだ。

これに先立ち、東芝は2000年11月に独シーメンスと3G端末の共同開発 で提携したが、昨年12月にこれを解消。両社は2002年1-3月期をめどに、 NTTドコモなどが展開を予定している通信方式のW-CDMA方式と、欧州 やアジアで主流のGSM方式を併用できるデュアル端末の商品化を目指すはず だったが、新サービスの導入が遅れたことに加え、市場減速を背景に業績が急 速に悪化するなかで、商品化の中止を決定したと発表した。

三菱電の株価終値は前日比13円(2.51%)安の505円、東芝は同32円 (5.83%)安の517円。

東京 鈴木恭子 Kyoko Suzuki

竹本能文 Yoshifumi Takemoto

蒲原桂子 Keiko Kambara --*(03)3201-8868 ksuzuki3@bloomberg.net Editor:Okimoto

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