ガソリン価格下落:価格重視の経営者と立地重視の顧客とで認識相違

東京 2月13日(ブルームバーグ):セルフ式サービスステーション(SS) を利用する理由で最も顧客が重視するのは価格ではなく立地条件--石油元売 り大手のコスモ石油は顧客動向をこのように分析する。

セルス式スタンドは顧客自らがガソリンを入れ、窓拭きやごみ捨てなどの サービスの省くことで、価格の「安さ」を武器に店舗数を伸ばし、日本全体で 昨年1000店舗を突破した。石油元売り各社は、今後もセルフ式SSの需要は高 いと見込み、店舗数を増やす予定だ。

ただ、コスモ石油では「顧客のおよそ2割が立地条件を最重要視している」 (鴇田穂積・広報室長)という調査結果をまとめており、SS経営者の戦略と 顧客ニーズに「微妙な温度差」が生じているようだ。

日本全国のSS数はおよそ5万カ所。大都市周辺部ではSSが乱立し、至 近距離に他社のSSが並ぶことも珍しくはない。このため、SSの経営者は「1 円」の値下げに敏感に反応しやすく、セルフ式SSの増加が末端市況を悪化さ せているとの見方もあるのも事実だ。

卸価格2円程度値上げ

国内石油元売り最大手の日石三菱は1月下旬、原油高や円安が進んだこと から調達コストがかさみ、2月1日出荷分から店頭価格に反映するガソリン卸 価格を1リットル当たり前月比で2円値上げすると発表した。出光興産やジャ パンエナジー(Jエナジー)も卸価格をそれぞれ2円値上げすることを決めて おり、各社とも値上げに踏み切ることにしている。

ただ、財団法人・日本エネルギー経済研究所の石油情報センターが発表し た石油製品市況調査によると、2月4日現在のガソリン店頭小売価格(レギュ ラー 1リットル当たりの一般客向けSS現金価格、全国平均)は前回調査(1 月28日時点)と比べ1円安の98円で、2000年3月6日以来の低水準となった。

同センターはガソリン価格低下について、末端市況で価格競争が引き続き 生じていると分析。石油元売り各社が卸価格を値上げすると相次いで決めてい るものの、SS経営者が価格を引き上げするまではタイムラグ(時差)が発生 するため、末端価格が値下がりしたと分析している。

また、セルフ式SSガソリン価格の影響について「数字上は1000店舗にと どまるが、末端価格への影響は店舗数を上回る」(同センター大橋益男・調査役) としており、セルフ式の価格が周辺の末端市況に影響を及ぼしているとの見方 もある。

顧客は立地条件が重要

顧客は価格よりも立地条件を重視する傾向が強い。コスモ石油によると、 顧客がSSを選んだ理由として挙げた要因は、立地条件が最も高く、全体のお よそ2割程度を占めた。2位はサービス内容、次いで価格と続いている。同社 の鴇田室長は「この数年、利用者が立地条件を重視する傾向は変わっていない」 と語る。また、石油連盟が2001年夏に実施したアンケート調査でも、顧客がS Sを決めた理由として「家の近く」が36%と最も高く、「価格が安い」は31% と2位。また、ガソリン1リッター当たり1円の違いでSSを変えるという顧 客は6%。2円から3円程度でも24%にとどまっている。さらに、SSで価格 差があった場合、SSを変更しないという顧客が87%に上り、経営者ほど顧客 は価格に敏感ではないことが判明した。

また、「オイルやタイヤ空気圧のチェックなど過剰なサービスに戸惑う顧客 もいる」(鴇田室長)ため、顧客がセルフ式SSを利用するという冷ややかな声 も出ている。

東京 浅野 文重 Fumishige Asano --*03-3201-7137 fasano@Bloomberg.net Editor:Abe

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