米経済コラム:独立記念日に企業の独立を考える

7月4 日は米独立記念日。ここで独立という言葉のもう一つ意味を考えてみるのもい い機会だろう。

大企業の子会社や事業部門は、スピンオフ(分離・独立)を通じて株式が 部分的または全面的に公開されたり、親会社の株主に売却され、独立を勝ち取 ることがある。こうして誕生した企業は、たとえ大組織の中では見向きもされ なかった部署でも、独立して運命が自らの手に委ねられたとたん、積極的かつ 創造的な企業に変ぼうし、繁栄していく可能性がある。これこそ、わたしがス ピンオフ企業への投資を好む理由だ。

スピンオフ企業は多くの場合、最初は安い。親会社にとって不採算事業で あったり、微々たる利益貢献しか期待できない事業だった可能性もあるし、同 部門の事業内容になじみのない株主が投げ売りすることもあるからだ。

しかし、一点だけ注意が必要だ。それは、親会社がスピンオフする事業に 多額の負債を押し込むケースがあることだ。スピンオフ企業に投資するときは、 必ず貸借対照表を確認しなければいけない。

5社

スピンオフに関連して、現在わたしが注目しているのは、カナディアン・ パシフィック、ユナイテッド・ステーツ・スチール、USXマラソン・グルー プ、アギア・システムズ、オリエント・エクスプレス・ホテルズの5社。

カナダ2位の鉄道会社、カナディアン・パシフィックは鉄道、石炭、輸送、 石油・ガス事業の4部門を分離し、純粋なホテル会社に生まれ変わる計画だ。 2000年12月にエンジニアリング会社フルーアーから分離された石炭会社マシ ー・エナジーの株価も好調であるので、スピンオフが完了したら、カナディア ン・パシフィックの石炭と石油・ガス事業部門の株式を買うかもしれない。

USXはUSXマラソン・グループとUSX-U.S.スチール・グルー プを保有するが、この両社とも年内にスピンオフする予定だ。

USXマラソン・グループは米4位の石油会社で、株価収益率は6倍と、 よだれが出るほどの安さだ。一方、ユナイテッド・ステーツ・スチールに社名 変更予定の製鉄会社USX-U.S.スチール・グループの投資には慎重を要 する。赤字で株価収益率を算出できないし、株主資本に対する負債の比率も高 めだ。だが、株価は1株当たりの純資産を割り込んでおり、買収の標的になる 可能性もある。

ことし3月に通信機器最大手ルーセント・テクノロジーズから分離された 半導体のアギア・システムズは、人気が集まるとみられていた銘柄だ。株式公 開が通信業界の不振期に重なり、投資家がこの新しい会社の正体を見極めよう としているのか、株価は4ドルから10ドルの間で一進一退の動きが続いている。 5ドルを割れば、投資妙味があろう。

最後は、豪華な国際列車オリエント急行や、世界各地に高級ホテルを持つ オリエント・エクスプレス・ホテルズ。親会社のシー・コンテナーズは昨年40% の株式を放出、今年末までに完全分離する予定。再現するのが難しい高級な資 産が多いだけに、株価が下落した場面では購入したくなりそうだ。

2年後

わたしが前回、スピンオフに関するコラムを書いたのは1999年7月1日。 当時、自動車部品メーカーのデルファイ・オートモーティブ・システムズやた ばこのR.J.レイノルズ、高級百貨店のニーマン・マーカスなど6銘柄を推 奨したが、翌日2日以降今年6月末までの平均上昇率は22%と、S&P500種 株価指数の18%下落とは対照的に、好調な値動きを見せている。

ことしのスピンオフ関連の推奨銘柄も、同じように素晴らしい実を結ぶの だろうか。それは時間だけが知るところだが、わたしはこれからも独立支持派 でいるつもりだ。 (ジョン・ドーフマン)

(ジョン・ドーフマン氏は、米資産運用会社ドーフマン・インベストメンツ の社長。同氏の見解はブルームバーグ・ニュースの見解を反映するものではあ りません。ドーフマン社また同社顧客は、このコラムに登場する銘柄をすでに 保有または売買している可能性があります)

コラムニスト:ニューヨーク John Dorfman 翻訳:東京 守護 清恵 Kiyoe Shugo              MK --* (03)3201-7499   kshugo@bloomberg.net

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