有線ブロード社長「申し訳ない」-初値の公募価格割れで

有線ブロードネットワークスの宇野康秀 社長は25日会見し、同社株の初値が公募価格割れとなったことについて「非常に 申し訳ない結果になった」と述べた。

同社は25日、大阪証券取引所ナスダック・ジャパンに上場。初値は公募・売 り出し価格を35%下回る13万円となり、終値は12万7000円まで下落した。調達 額(手数料含む)は432億円で、新興企業向けの3市場(ナスダック・ジャパン、 東京証券取引所マザース、店頭市場)では今年最大。当初計画より調達額を約100 億円減らしたものの、株式需給への影響を払しょくできなかった。

ただ、公募価格が高すぎたのではとの質問に、宇野社長は「間違っていたとは 思わない。実績を示して投資家の期待にこたえていきたい」と強気の姿勢も見せた。

IP電話に今夏参入

同社は3月から、光ファイバー網を使って、最大通信速度が毎秒100メガビッ トと高速なインターネット接続サービスを都内で始め、2003年4月までに全国主 要都市にサービス地域を拡大する計画を進めている。宇野社長は「今夏にはIP(イ ンターネット方式による)電話を開始する。他の通信事業者と相互接続し、全国に 発信できるようにしたい」との計画も明らかにした。

業績については、宇野社長は「2001年8月期は連結最終黒字を回復する」と の見通しを明らかにした。前期は、過去の電柱不正使用に絡む和解金を特別損失と して計上したため、178億4200万円の連結最終赤字だった。

放送・通信業の初値、相次ぐ公募価格割れ

放送・通信業の新規上場銘柄は、有線ブロード以外にも、昨年から初値が公募 価格を下回る現象が相次いでいる。昨年10月に上場した全国朝日放送とスカイパ ーフェクト・コミュニケーションズは、初値がいずれも公募価格を6-7%程度下 回り、25日の終値もそれぞれ、3割、6割下回る水準。また、マザースに20日上 場したWOWOWも、25日は3日ぶりに上昇したが、終値は公募価格(115万円) を下回ったままだ。

最近では、18日に店頭市場に上場したスペースシャワーネットワークのよ うに、初値が公募価格比27.2%高となった例外もある。ただ、市場関係者は、 有線ブロードと並ぶ資金調達を行った「WOWOWの初値が崩れたことを見て、 個人投資家を中心に投資マインドが急速に冷え込んだ」(いちよし証券の青木 光太郎投資情報部課長)と見ている。

このため、新規上場銘柄には当分、厳しい環境が続きそうで、今後、年内 に上場する大型の通信・放送銘柄は今のところ見当たらない。東京にある民放 テレビ局で唯一上場していないテレビ東京は、来年以降の上場となるほか、有 線ブロードもさらなる公募増資の可能性は「1年間強はない」(宇野社長)とし ている。

有線ブロードの今後1年間強の投資額は3000億円、うち顧客からの収入を 除いて実際に必要な資金調達額は、約1000億円を見込んでおり、今回の公募調 達分を除くと、あと約600億円弱の資金調達が必要な状態だが、銀行借入やリ ースの活用で賄えるという。

WOWOWの株価終値は前日比2万5000円(3.60%)高の72万円、スカ イパーフェクトは同3000円(2.50%)高の12万3000円、全国朝日放送は同1000 円(0.36%)高の28万3000円、スペースシャワーは同3万5000円(7.14%) 安の45万5000円。

東京 上野 肇 Hajime Ueno

院去 信太郎 Shintaro Inkyo KO --*(03)3201-8926 hueno@bloomberg.net

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