サムライ債起債観測相次ぐ-コロンビア、ダウ・ケミカル、英BTなど

外国政府や企業が発行する円建て債の 起債観測が相次いでいる。既に、リーマン・ブラザーズ、コロンビア共和国、 韓国電力公社の起債が予定されているほか、米国の大手化学会社ダウ・ケミカ ル、米IBM、ブリティッシュ・テレコミュニケーションズ(BT)、マレーシ アなどの起債観測が広まっている。いずれも日本市場での起債実績があるか業 界大手で知名度がある発行体だけに、市場関係者の間で大きな関心を呼んでい る。このほか、欧米の保険会社や通信会社も起債を検討していると予想され、 昨年度に続きサムライ債市場が盛り上りそうだ。

リーマン・ブラザーズは、昨年7月に総額500億円を募集したのに続き、 4月中旬にも3本建て総額600億円(予定、固定利付債と変動利付債)の起債 に踏み切る。コロンビア共和国も日本市場で4回目となるサムライ債発行に臨 む。リテール(個人向け取引)販売網を持つメリルリンチ日本証券と国際証券 が共同主幹事を務め、4月中にも発行条件を決めて個人投資家などに販売する 見込みだ。韓国電力公社も4月中にユーロ市場で総額350億円程度のユーロ円 債を起債し、日本の投資家などに売り出す予定だ。

米ダウ・ケミカルは、1984年12月に大蔵省が外国企業にユーロ円債発行 を解禁した際、小売業大手のシアーズ・ローバックなどと共に発行第1号の先 陣を切ったことで知られる。1988年2月には、外国企業初のコマーシャル・ペ ーパー(サムライCP)を発行したほか、1993年10月には同社初のサムライ 債200億円(主幹事:野村証)を発行した。今月30日には発行額250億円のユ ーロ円債(主幹事:野村インターナショナル)が満期を迎え、この借り換えを 円で行うとの観測が広まっており、円債市場での復帰が見込まれる。

英BTは、今年2月に財務省にサムライ債の発行登録書を提出し、既に登 録が完了している。同社は昨年、欧州市場で100億ドルの大型起債を実施した ほか、今年1月にも総額91億ドルを調達しており、資金需要はおう盛。日本市 場での発行が実現すれば、2月のドイツテレコム債に続き、外国企業による国 内2番目のテレコム業界の起債となる。「今年の発行市場はテレコム業界で盛 り上る」(銀行系証券シンジケーション担当者)と言い切る向きもあるだけに、 業界大手BTの引受主幹事や発行額などに市場関係者の大きな関心が集まって いる。

IBMの起債観測も出ている。同社は昨年3回、総額2900億円(2年、5 年、10年)を日本市場で調達した。1996年4月以来5回、日本市場で個人投資 家対象のデュアル・カレンシー債を発行した実績もあり、個人にもなじみのあ る発行体。同社の財務部門担当者は、円債市場での指標銘柄となり、利回り曲 線を自ら作ることを表明するなど日本市場を開拓するとの意欲を見せている。 今後も当面は、日本市場での同社の動向からは目を離せない。

ダウ・ケミカル、BT、IBMはいずれも格付けがシングルA格の民間企 業であるうえ、東京証券取引所に上場していることが共通点。上場幹事会社は、 ダウ・ケミカルとBTが野村証券、IBMが大和証券となっている。

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