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CSFP事件:元東京支店長の山田被告に有罪判決-東京地裁(2)

クレディ・スイス・ファイナンシャル・ プロダクツ銀行(CSFP、現クレディ・スイス・ファースト・ボストン・イ ンターナショナル)東京支店の金融監督庁(現金融庁)に対する検査妨害事件 で、銀行法違反(検査忌避など)の罪に問われた元東京支店長、山田真嗣被告 の判決公判が8日午後、東京地裁で開かれた。小倉正三裁判長は同被告に対し 懲役4月、執行猶予2年(求刑懲役4月)の有罪判決を言い渡した。

判決文で小倉裁判長は「計画的、組織的な犯行。(山田被告は)責任者とし て自らも証券書類を積極的に秘匿するなど悪質で厳しく非難されなければなら ない」と指弾した。

一方、同事件で、銀行法の両罰規定に基づき同法違反の罪に問われた法人 としてのCSFP本店(ロンドン)に対する判決公判が同日午前、東京地裁で 開かれ、小倉裁判長は被告会社に罰金4000万円(求刑罰金5000万円)の判決 を言い渡した。

○事件の概要は以下の通り。

山田被告らは、東京支店での仕組債ビジネス私募の取り扱いを行う営業と して証券業に該当し、この業務を銀行が行うことは銀行業と証券業との業務障 壁(ファイヤーウォール)の規則違反に当たり、行政処分の対象になる危険性 があることを社内弁護士のアドバイスなどにより認識していたが、97年4月以 降、仕組債ビジネスの収益力が高いことからあえて営業を続行した。

営業開始当初、山田被告は仕組債ビジネスに関する顧客への説明書などの 証券関連業務書類をほかの業務書類と分別することなく管理させていたが、行 政当局からの立ち入り検査を逃れるため、97年11月ころ、これらを分けて隠匿、 保管する必要があると考えた。

金融機関の不良債権の「飛ばし」などに利用されていた疑いが持たれるデ リバティブ(金融派生商品)取引関連の書類を別に保管していた城山JTビル 27階(東京都港区虎ノ門)エレベーター横の倉庫に隠して保管することにし、 同12月ころまでに従業員に指示して東京支店オフィスから27階倉庫に移動さ せた。従業員らはこの倉庫をオウム真理教の建物の呼称にならい「サティアン」 と称していた。

また、CSFP東京支店側は、金融監督庁の検査を逃れ「サティアン」自 体の存在を隠すため、99年1月5日ころ、27階倉庫の記載を削除した虚偽の支 店見取り図を作成したうえで、検査官にこれを提出した。

金融監督庁は同1月20日、CSFP東京支店に対する立ち入り調査に着手。 コンプライアンス(法令順守に関する業務)責任者が検査官に27階倉庫の存在 について「ここはビル共用のスペースで東京支店では使用していない」と虚偽 の説明を行ない、山田被告はこの旨の報告を同日午後に責任者から受け、隠ぺ い工作が事前の打ち合わせ通りに進んでいることを認識した。金融監督庁によ る初日の検査が終了した際、このコンプライアンス責任者は従業員に対し、検 査期間中は27階倉庫の扉の開閉をしないことなどを要請。また、検査官から特 定の取引に関する内部承諾書類すべての提出を求められたが、山田被告の指示 により、一部書類を抽出破棄するなど支店ぐるみの検査妨害が行われた。

CSFP本店は99年2月10日ころ、同グループ・アジア太平洋地域のス テファン・ストーンフィールド会長が来日した際、山田被告が証券関連業務書 類を27階倉庫に保管していること、金融監督庁の検査官に対しまだ開示してい ないことを伝えた。そのうえで、同会長から検査官から特に要請されない限り 開示しなくてもよいとの返事をもらったという。

一連の公判を通じて、CSFP本店側は無罪を主張、山田被告は起訴事実 の一部に無罪を主張していた。

東京 鈴木偉知郎 Ichiro Suzuki

阿部直哉 Naoya Abe     NA --*(03)3201-8874 nabe@bloomberg.net

参考画面:クレディ・スイス・グループ CSGN SW <Equity> CN

クレディ・スイス・ファースト・ボストン 9508Z US <Equity> CN

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