監視委:UBS証、コメルツ証の個人にEB関連で初の処分勧告(5)

証券取引等監視委員会は16日、スイ スの大手銀行UBSグループのUBSウォーバーグ証券とコメルツ証券の従業 員が他社株転換社債(EB)の取引に関して証券取引上の法令に違反したとし て、金融庁などに対して処分を勧告すると正式に発表した。EBは金融派生商 品(デリバティブ)を駆使したハイリスク金融商品の1つ。監視委がEB取引 関連の処分を勧告するのは今回が初めてで、従業員個人を対象としている。

EBは一定の条件の下で発行企業以外の株に転換できる社債で、転換対象 銘柄の株価に連動して高金利を得られるように設計されているものが多い。両 社の株式担当者はともに、株価が基準日に一定額を上回ればさらに金利を上乗 せすることを約束した商品で、上乗せ金利獲得の権利が発生しないよう取引終 了間際にかけ故意に大量の売り注文を出して株価を下落させた。これが法令違 反に当たった。

対象銘柄はUBS証のEBが野村証券株式、コメルツがファナックで、そ れぞれ約7000万円と約7700万円が投資家に支払われないことになった。これ らの金額はEBを組成したUBS、コメルツ・グループなどに流れたとみられ る。

金融当局の担当者によると、金融庁は昨年8月からUBSウォーバーグ証 に対して通常検査を実施していたが、これに加わる形で監視委は昨年11月に抜 き打ち検査に入っていた。また同委はコメルツ証に対しても昨年12月から検査 を行っていた。

コメルツ証では「今回の勧告を真摯(しんし)に受け止めている。現在、 このEBの取引にかかわった2人の従業員は停職中で、金融庁の処分が決定す るまでこの状態を維持する」(広報担当のフィリップ・アブリル氏)と述べた。 UBS証からのコメントは得られなかった。

監視委は証券会社やその個人が犯した法令違反などについて、1992年以降 これまでに165回の勧告を実施。大半のケースで金融庁はその後の処分などに 動いている。同委では特にEBに関する今回の問題も踏まえ、1月下旬からE Bを販売した証券会社40社を対象に違法取引がないかなどを調べる調査に乗り 出している。

東京 平野 和 Kazu Hirano

日向貴彦 Takahiko Hyuga KO --*03-3201-3220 khirano1@bloomberg.net

企業ニュース:JBN18

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