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米経済コラム:赤字企業への奇妙な熱狂

投資家はいつだってせっかち だ。ある企業の増益率が前四半期の60%から40%に低下したら、彼らはその株 を投げ売りする。

しかし、なぞもある。なぜ、同じ投資家が、毎年赤字を計上し、ほとんど、 またはまったく黒字が見込まれないケーブルテレビ(CATV)や移動体通信、 娯楽を手掛ける企業には高水準の株価を認め続けるのだろうか。

米CATV3位のコムキャストは、その最も典型的な例だ。同社はいまだ かつて黒字を計上したことがないが、過去5年間の株価の値上がり率は株価指 数やメディア株指数の伸びをはるかに上回っている。

CATV会社はどこも、利益を上げることがない。テレ・コミュニケーシ ョンズ(TCI)の会長だったマローン氏が株主にした唯一の貢献は、99年に 地域通信事業を狙ったAT&Tによる買収価格を594億ドルにつり上げたこと だけだ。

移動体通信

移動体通信会社の業績低迷も長い。昨年のAT&Tの移動体通信事業の損 失は4億6100万ドル。一方、投資家が赤字にまったくむとんちゃくなため、A T&Tとスプリントは移動体通信部門のトラッキング・ストック(特定の事業 の業績を反映した銘柄)を発行している。

AT&Tの移動体通信部門AT&Tワイヤレス・グループの時価総額は約 590億ドル。スプリントの移動体通信部門スプリント(PCSグループ)は2000 年3月までの1年間で24億ドルの損失を計上したものの、時価総額は約560億 ドルに上る。

娯楽

娯楽業界の巨人、タイム・ワーナーやバイアコムも、過去数年にわたり損 失を計上し、最近の数四半期でようやくわずかな利益を上げるようになったに もかかわらず、投資家の人気を集めている。

パソコン通信最大手のアメリカ・オンライン(AOL)は現在、株式交換 により約1330億ドルでタイム・ワーナーを買収しようとしている。タイムの出 版や映画、音楽事業を自社のインターネット事業に組み込むことが狙いだ。し かし、買収によるのれん代償却で、ネット企業としては数少ない黒字企業のA OLも、赤字企業に転落することになる。

これらの赤字企業は、今後何年間も、大規模な支出を続ける。コムキャス トは今年、ケーブル・システムの向上のため12億ドルの設備投資を行う計画で、 AT&Tも移動体通信事業の拡充に41億ドルを充てている。

ただ、投資家も時には、目を覚ますことがあるようだ。AT&TがTCI を買収した際の株価は約65ドルだったが、27日には33.19ドルに下げている。

それでも赤字企業への投資意欲は依然、おう盛だ。これらの企業はお互い に関係を深めており、赤字が今後も拡大することは間違いない。米政府でさえ 財政黒字を計上しているというのに、まったく奇妙なことではないか? (デービッド・ポーリー)

原題:Why a Love Affair With Red Ink Specials? David Pauly(抜粋) コラムニスト:ニューヨーク David Pauly 翻訳:東京 本間 さおり Saori Honma na --*(03)3201-8336 sahonma@bloomberg.net

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