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99年回顧-社債発行市場:株価連動債はじめ仕組み債がラッシュ

99年の債券発行市場は、個人向け仕 組み債が活況を呈した点が大きな特徴だった。98年まで機関投資家だけに販売 されていた株価連動債が98年12月の店頭デリバティブ解禁によって、証券各 社が一気に販売攻勢をかけて、市場が急拡大した。また、円高が進んだことか ら外貨建ての債券が急増したことも目立った動きとなった。個人投資家も長引 く低金利のなか、高利回りを狙えるこれらの商品を積極的に購入した。

商品開発は外国証券、販売は国内証券

株価連動債の代表格は日経連動債と他社株転換債。どちらも内部に株式の オプション(株式を売買する権利の取引)が組み込まれている。パリバ、ソシ エテ・ジェネラルなどの欧州系外国証券が商品設計したものを国内証券が販売 する形が多いが、JPモルガンやメリルリンチ証券など米国系の証券会社も市 場に参入した。販売を担当する証券会社は、株式委託手数料自由化後の主要な 収益源と位置づける準大手や中堅証券が目立った。また、債券の発行体では、 スウェーデン輸出信用銀行やノルウェー輸出金融公社など80年代からの仕組み 債の常連が名を連ねた。

EB、エクイティ・デリバティブ市場をリード

99年の仕組み債市場をリードしたのは、エクイティ・デリバティブ商品の 代表格となった他社株転換債(Exchangeable bond、通称EB)だ。この債券は、 一定の条件で、発行体とは異なる日本企業の株式で償還される。対象となる株 式は、NTT、NTTドコモ、DDI、富士通、京セラなど今後の成長が期待 される情報通信関連の銘柄が多い。99年を通じて継続的に売り出されたが、特 に、11月末から12月のボーナスシーズンには発行ラッシュとなった。

EBの標準的なタイプは、満期が3-6カ月で、表面利率は7-10%程度。 対象株式の変動率(ボラティリティー)やオプションの行使価格が高いほど表 面利率は高くなる。例えば、メリルリンチ日本証券が7月末に売り出したソフ トバンク対象のEBは満期3カ月で表面利率は10%とかなり高い水準だ。

EBは株価の変動性が高いことで2桁台の表面利率を達成することもある。 それでもオプションの行使価格が発行時点の株価以下の「アウト・オブ・ザ・ マネーやアット・ザ・マネー」の状態が多い。「(行使価格が発行時点の株価 水準を上回る)イン・ザ・マネーの状態だったらオプション料はもっと高くな るので、 表面利率は15-20%程度にも達するのではないか」(準大手証券)と いう。

一方、日経連動債は償還金が日経平均株価に連動して決まる債券。なかで も償還までに日経平均が決められた価格以下にならなければ元本が保証される 「ノックイン型」が圧倒的に多い。

ノックイン型は日本グローバル証券が5月に先陣を切ってから大手・準大 手証券が追随し発行が相次いだ。満期は6カ月から1年、表面利率は4-5% 台が標準的。これまで販売されたもの(円建て)で表面利率が最も高かったの は、東海丸万証券が8月に販売したスウェーデン輸出信用銀行債で、5.5%(ノ ックイン価格:14420円)。また、表面利率が4%以上で、ノックイン価格が最 も低かったのは、新日本証券が5月に売り出したノルウェー輸出金融公社債で、 11354円60銭だった。

メリルリンチが新型株価指数連動債を開発

個人向け仕組み債市場で、新型債券の開発に特に熱心だったのは、メリル リンチ日本証券だった。同社は、10月にアナリストの人気銘柄株価に連動する 債券、「ジャパニーズ・モーメンタム・インデックス連動債」を売出し、市場 関係者の間で大きな話題となった。

さらに、11月には第2段として、インターネット関連銘柄からなる株価指数 に連動する「インターネット・バスケット・インデックス連動債」を開発した。 同社では、「メリルリンチのリサーチ力をバックに今後拡大するインターネッ トセクターやデジタル通信関係の有望銘柄を指数化し、それに連動する商品を 提供していきたい」(プロダクト・マネジメント部門)と積極的だ。

為替絡み債の販売も相次ぐ

仕組み債市場では、株価連動債が圧倒的なシェアを占めたが、為替絡みの 仕組み債も相次いだ。なかでも目をひいたのが、早期償還条項付きユーロ米ド ル建て債で、日興証券、和光証券、メリルリンチ日本証券、新日本証券などが 売り出しに踏み切った。

日興証券が8月に売り出したノルウェー輸出金融公社債を例にとると、満期 2年、利率0.5%。各計算日(利払い日の数日前)の円・ドル為替相場が115円 75銭を上回る円安・ドル高であった場合、1ドル=130円で直後の利払い日に自 動的に円で早期償還され、高い投資収益が得られる。

この商品は過去の円安時に外債投資して為替差損を被った投資家がドルの まま乗り換える救済商品として設計されたとみる向きが多く、同様な商品が今 後も売り出される可能性が高い。

東京 上野 孝司 Takashi Ueno 03-3201-8696 AO

参考画面: 企業ニュース:JBN18 和光証券 : 8608 JP <Equity>CN 日興証券 : 8603 JP <Equity>CN メリルリンチ日本証券 : 1186Z JP <Equity>CN 新日本証券 : 8606 JP <Equity>CN

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