ブルームバーグの命運を握るデータのスペシャリストたち
2020年2月10日

世界の金融市場を動かし、企業の意思決定を支えるさまざまなデータ。ブルームバーグにおいても、データは事業の中核を成す重要な存在です。データ量は増え続け、データが果たす役割も進化している現代。お客さまが分析に使用するデータも複雑化の一途をたどっています。ブルームバーグ ターミナルやエンタープライズ向けデータ商品では、使用データの取得方法や評価方法も常に進化し続けています。
詳細なデータを一つひとつ収集して評価し、データの付加価値を高めてお客さまに提供するのがグローバルデータチームです。所属する社員は世界全体で1,000人を超え、データ分析、問題解決、最新技術開発などの役割を担いながらブルームバーグの業務を支えています。グローバルデータチームのメンバーは、専門スキルやデータ分析だけでなく、市場やトレンドに関する深い知識を蓄えて提供しながら各担当領域のエキスパートへと成長していきます。ブルームバーグが提供するデータは多種多様なことから、各メンバーが選ぶ専門領域もさまざまです。
ブルームバーグにおける1日のデータの流れを追えば、グローバルデータチームが果たす重要な役割についてご理解いただけるでしょう。
データの取得
ブルームバーグ ターミナルで表示するデータや、データフィード製品を経由して提供されるデータは、グローバルデータチームが信頼できるデータソースから取得して内容を確認したもの。企業の業績、配当、サステナビリティの格付けなどといった種類にかかわらず、ブルームバーグで使用される全情報に個別の採用基準やデータ処理基準が設けられています。
ロンドンのデット・キャピタル・マーケット・チームに所属するジョナサン・ガーディナーさんによると、情報の出所は様々です。
「タームシートや目論見書から直接データを取得することもあれば、ニュース記事やプレスリリースからデータを手に入れることも。日頃から情報元として使っているウェブサイトで、キーワード検索からパブリックドメインのデータを入手することもあります」
企業の報告書、ニュース記事、過去のデータなど、ブルームバーグが取得済みの情報を最大限に活用することで、グローバルデータチームは取得したデータから新しい意味を読み取り、データの適切な見せ方を判断します。
データの正規化
幅広いデータを収集することは、データプロセスの第一歩に過ぎません。次の作業は、取得したデータを生のデータもしくは報告された形式のままで素早くお客さまに提供すること。そうすることで、お客さまは時に自ら取得するよりも早くブルームバーグからデータを入手できます。その一方で、加工されていない生のデータだけを提供してもお客さまは満足しません。取得したデータを他の企業のデータと簡単に比較できなければ、役に立つデータとはいえないのです。
フォーマット、言語、基準の異なる未加工データは、標準化することで他データとの比較が容易になります。このような「データの正規化」もまたグローバルデータチームの仕事。各分野に精通した社員の専門知識を集結し、最先端技術を駆使することで、フォーマットの異なる企業データを容易に比較・分析できるようにしています。この正規化の技術こそが、他社と一線を画しているブルームバーグの強みです。
ブルームバーグのシンガポールオフィスで資本市場データを担当しているジェン・ハオ・トーさんによると、情報の開示方法は取引所によって異なります。
「データを標準化するには、市場に関する一定の知識が必要で、機械にはできない作業になります。人間が介入するからこそ、お客さまは異なる市場間のデータを同じ基準に基づいて比較できるようになるのです」
またブルームバーグが取得したデータは厳格な基準に基づいて検証され、お客さまが一定条件を満たした情報だけを安心してご利用できるようにしています。
比較的新しい分野であるESG(環境・社会・ガバナンス)をニューヨークオフィスで担当しているローレン・コープさんは、データ正規化のルールや基準がまだ発展段階にあると考えています。温室効果ガスの排出量、コーポレートガバナンス、取締役会のダイバーシティーなど、評価する際のルールが細かく定められているわけではないからです。ESGデータの性質上、アナリストは自身の専門知識に基づいてきめ細かい決定を下すことができ、ESG関連のデータの評価や共有にまつわる基準を形作る立場にもあるのだとコープさんは語ります。
「チーム内のアナリストたちは、絶えず質問を投げかけています。そうすることでデータフィールドの扱い方を定義し、独自の適切な基準を確立して、優先順位を定めることができるからです」
お客さまはブルームバーグを信頼して新しいデータセットを判断材料に採用します。そのために、ブルームバーグはお客様の期待を満たす高度な透明性を確保しています。
AI技術を駆使
金融業界を取り巻く状況は、目まぐるしく変化しています。お客さまは、信頼性の高いデータをこれまで以上に素早く手に入れたいと望むようになりました。お客さまが求めるスピードと情報量を実現するには、膨大で複雑なデータを自動的に整理し、単純化できる新しいツールが必要です。
データを抽出する上で、非常に役立つのはAIです。グローバルデータチームでは、ヒューマン・エラーが起こりやすい反復的で単調なデータ抽出作業をAIに委ねています。ジョナサン・ガーディナーさんは次のように説明します。
「これまで私たちは、データの検証、確認、手入力に多くの時間を費やしていました。それが今ではAIを取り入れることで、サブジェクトマターエキスパート(SME)がデータを分析し、付加価値を加えてからお客さまに提供することができるようになりました」
進化し続けるデータ
ジョナサン・ガーディナーさんはさらに説明します。
「データにどのような付加価値を与え、どのように変換するのか。それはデータの取得元、取得方法、取得時のフォーマットによって異なります。取得時の条件によって、最終的にそのデータをどのように見せるかが決まるのです」
グローバルデータチームによって標準化され、適切な検証を経て付加価値が備わったデータポイントは、ブルームバーグ端末などのフィールドに表示されます。そしてお客さまは迅速に、場合によってはほぼリアルタイムでそのデータを入手し、分析することができるのです。
当然のことながら、データを取り扱うプロセスは常に変化し続けているのだとローレン・コープさんは語ります。
「ESGデータに関して言えば、私たちは大小さまざまな変化に常に対応しています」
絶えず進化するデータを取り扱うには、データの評価技術を高めるだけでなく、もっと広い意味で機敏な対応が必要になります。グローバルデータチームでは、アナリストが重要な意思決定に関与し、部署の戦略やルールを変え、あえて変則的な判断をすることも珍しくありません。
グローバルデータチームの業務は、スプレッドシートを分析したり、コードを書いたりすることだけに留まりません。ときにはお客さまとやり取りすることもあります。 社員が望んで自発的に行動を起こせば、グローバルデータチームにはさまざまな可能性を秘めた多くの道が用意されています。チームの業務や機能が変化するにつれ、社員も成長して変化に順応しているのだとジェン・ハオ・トーさんは語ります。
「データアナリストの役割は進化してきました。データ処理の巧拙が重視される時代は、もう終わりました。私たちは市場の動向を常に把握していなければなりません。特に規制の変更はデータの取得方法にも影響を与える可能性があり、お客さまの投資決定を左右します。どんな変化にも対応できるよう、準備を整えておくことも私たちの仕事ですね」
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