日経平均3カ月ぶり9000円割れ、米銀や中国警戒-ソニー急落
5月11日(ブルームバーグ):東京株式相場は3日続落し、日経平均株価は終値で約3カ月ぶりに9000円を下回った。米銀JPモルガン・チェースが多額の損失を計上したことが分かり、米国株先物が時間外取引で下げたため、日本時間今夜の米国株安に警戒感が浮上。また、物価指数の伸び率鈍化で中国経済の減速傾向も嫌気された。
今期業績計画の市場予想未達が嫌気されたソニー、今期営業減益予想のテルモがともに急落し、日経平均の下落寄与度上位 。業種別では証券や銀行など金融、海運や鉄鋼、その他製品が安い。
日経平均株価 の終値は前日比56円34銭(0.6%)安の8953円31銭と2月10日以来の安値水準。TOPIX は同7.04ポイント(0.9%)安の758.38と同1日以来の安値となった。両指数とも小高く始まったものの、買いは続かず、午後はじりじりと下げた。
明治安田アセットマネジメントの植草博幸トレーディング部長は、決算発表を受け個別銘柄が選別されており、「買われる銘柄と売られるものの2極化が進んでいる」と指摘。ソニー、パナソニック、任天堂がそろって52週安値を更新したことは、当該銘柄だけの下げにとどまらず、「市場参加者の心理にネガティブ」に作用したと言う。
JPモルガンのジェイミー・ダイモン最高経営責任者(CEO)は10日、自社のリスクヘッジなどを担当する部門の失敗により、デリバティブ(金融派生商品)の一種であるシンセティック・クレジット証券関連で約20億ドル(約1600億円)の損失を同行が被ったことを明らかにした。これを受け、JPモルガン株は時間外取引で急落。シカゴ24時間電子取引システム(GLOBEX)の米S&P500種株価指数先物は日本時間きょうの取引で、基準価格に対し安く推移した。
中国CPIは伸び鈍化日本時間午前10時半に中国の国家統計局が発表した4月の消費者物価指数(CPI)は、前年同月比3.4%上昇と前月から伸びが鈍化した。3月は3.6%上昇だった。りそな銀行アセットマネジメント部の黒瀬浩一チーフ・ストラテジストは、「中国の統計から判断すると実体経済はさえない。金融緩和を早くという期待は強いが、一方で不動産の規制を緩めるわけにはいかない」と指摘した。
こうした中、東証1部33業種ではその他製品、証券・商品先物取引、海運、パルプ・紙、建設、鉄鋼、保険、銀行など29業種が下落。証券、銀行など金融は米国動向が影響し、海運や鉄鋼は中国への警戒が株価押し下げの一因になった。
個別では、2013年3月期純損益予想は300億円の黒字と、市場の事前予想の約半分にとどまったソニーが52週安値を更新。国内での薬価・公定価の改定が響き、今期営業利益計画は前期比4.8%減に落ち込む見通しのテルモも急落。近畿車両、トクヤマなど今期利益の低迷予想銘柄は下落率上位に並んだ。
輸出関連は終日堅調、日立やニコン寄与輸出関連株の一角は堅調で、業種別ではゴム製品、輸送用機器、精密機器、機械の4業種が高い。電力システムやデジタルメディア・民生機器事業の改善で、13年3月期の連結営業利益は前期比16%増の4800億円を見込んだ日立製作所が上昇。今期の増収増益と増配計画を示したニコンは、日経平均の上昇寄与度1位だった。11日付の日本経済新聞朝刊で、家電量販大手のビックカメラが同業のコジマを買収すると報じられ、経営効率化観測でコジマは急騰。
東証1部の売買高は概算で19億9668万株、売買代金は1兆2328億円。下落銘柄数は1415、上昇は198。きょうの取引開始時は、株価指数オプション5月限の特別清算値(SQ)が算出され、日経225型で9019円35銭と前日終値を9円70銭上回った。国内新興市場では、ジャスダック指数 が前日比1.1%安の51.36、東証マザーズ指数 は3.3%安の352.68とともに反落。マザーズ指数は52週安値を付けた。
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更新日時: 2012/05/11 17:48 JST