Updated: Tokyo  2013/05/24 14:56  |  New York  2013/05/24 01:56  |  London  2013/05/24 06:56
 

政府、東電議決権2分の1超を取得で公的管理-事業計画認定

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  5月10日(ブルームバーグ): 原子力損害賠償支援機構は9日夕、政府から承認を受けた東京電力 再建のための特別事業計画を公表した。それによると、支援機構は東電の債務超過を回避するため1兆円の公的資本を注入。2分の1超の議決権を取得して同社を公的管理下に置いたうえで、円滑な原発事故の賠償金支払いなどを促す。

閣僚会合での事業計画を認定後、枝野幸男経済産業相は支援機構の下河辺和彦運営委員長や東電の西沢俊夫社長と会い認定を伝えた。枝野氏は「信頼の再構築」を両氏に求めるとともに、早期の公的管理状態からの脱却を目指すよう促した。

事業計画によると、経営改革に一定のめどがつくか、「2010年半ば以降のできるだけ早い時期を目標とする」社債市場での資金調達が可能となった段階で機構が保有する議決権を半分以下に減らし、公的管理からはずすことを予定している。さらに、比率を3分の2超まで引き上げることも可能なことを明記した。

枝野氏は認定後に会見し、東電の救済に公的資金が使われることについて「電力の安定供給、賠償、廃炉という成し遂げなければならないことを実行するうえで、必要やむを得ないもの」と述べ、「いずれ返してもらうもの」と説明。「電力システムの改革の手段として公的管理するわけではない」と強調した。さらに、新人事とともに社風を刷新し、経営合理化に新たな視点で取り組むことを求めた。

1兆円の追加融資

政府は金融機関に対し、事業計画の中で社債発行が可能になるまでの間は全ての取引行が借り換えなどで与信を維持することを求めるとともに、主要な取引金融機関に約1兆円の追加融資を実施することも求めた。機構の嶋田隆理事兼事務局長は都内で会見し、追加の融資について「金融機関からは大枠で合意頂いている」と話した。 

さらに今後10年間のコスト削減計画では、従来の2兆6000億円から3兆3650億円に上積みする方針を明示。有価証券の売却では、「3年以内に3301億円」としていた当初の計画のうち、11年度中に約96%(3176億円)達成したことを明らかにした。設備投資額を削減するため、火力発電所の新設や古くなった火力発電所の建て替えをせず、原則としてすべて他社から電力を入札で調達する方式を採用する。東電が持つ発電設備の売却や貸与なども実施し、保有する資産を活用する。

配当については当面は無配を予定。事業計画では今後の収支を見通す前提条件として、22年3月期までの無配が織り込まれた。さらに、収支改善の鍵となる電気料金の値上げと柏崎刈羽原発の再稼働についても方向性を示した。

平均10.28%値上げ

東電は代替火力発電用の燃料調達費用がかさむため、家庭向け電力料金を平均10.28%値上げすることを計画。家庭向けの値上げは電気事業法に基づく枝野経産相の承認が必要になることから、東電は今週中に値上げの申請を行う予定。枝野氏は「少しでも値上げ幅を圧縮できるよう、最大限精査したい」と述べた。

嶋田氏は、定期検査や07年の中越沖地震の影響で停止している柏崎刈羽原発の7基の原子炉を13年4月から15年9月にかけて順次再開することを事業計画の前提条件として想定したことを明らかにした。同氏は今後の経営を見定めるための仮定として再開を織り込んだと説明した。

収支が改善することで、東電は14年3月期には1067億円の純利益(単体)と黒字化する見通し。12年3月期には7080億円、13年3月期には2014億円のそれぞれ純損失を見込んでいる。

三菱UFJモルガン・スタンレー証券の藤戸則弘投資情報部長は、東電の黒字化見通しについて「絵に描いた餅であってあまり意味がない」と指摘。さらに、液化天然ガス(LNG)をはじめ燃料のコストが大きく変動する可能性もあり、電力料金の値上げも計画通りに進むとは考えにくいことから「今の段階での青写真としてこういうことがあるというのが提示できるだけで、その蓋然(がいぜん)性は大変低い」との考えを示した。

委員会設置会社への移行

東電は8日、広瀬直己常務を西沢氏の後任として社長に昇格させる人事を発表。下河辺氏は勝俣恒久会長の後任とすることも内定している。下河辺氏は東電の株主総会が6月27日に開催される計画を明らかにした。両氏の就任は総会とその後の取締役会で正式決定される。下河辺氏は、この株主総会で定款を変更し外部の専門家によるガバナンスを強化するため、東電が監査役設置会社から委員会設置会社に移行する方針を示した。11人の取締役のうち、7人を社外、4人を社内から起用する。具体的な人選については、14日の12年3月期の決算発表時に明らかにするとしている。

下河辺氏は、会長就任後に報酬を受け取らない考えも明らかにした。ただし、同氏は現在、静岡県熱海市から通勤しており、「毎日新幹線に乗って帰ることもかなわないので、泊りの費用だけは報酬委員会の社外取締役のご理解が頂ければ、支弁して頂ければありがたい」と話した。委員会設置会社における非常勤の取締役が受領する額を例にあげ、「企業規模にもよるが、30万円から50万円がひとつの相場」との希望を明かした。

記事についてのエディターへの問い合わせ先:Alexander Kwiatkowski akwiatkowsk2@bloomberg.net

更新日時: 2012/05/10 00:01 JST

 
 
 
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