債券は続伸、長期金利1年半ぶり0.9%割れ-日銀追加緩和で買い優勢
4月27日(ブルームバーグ):債券相場は続伸。前日の米国債相場が上昇した流れを引き継いだほか、日本銀行がきょうの金融政策決定会合で追加金融緩和を決めたことを受けて買いが増えた。先物は2カ月半ぶり高値を付け、長期金利は1年半ぶりに0.9%割れとなった。
JPモルガン・アセット・マネジメントの塚谷厳治債券運用部長は「日銀の追加緩和決定は、国債にとって極めてポジティブな内容だったため、買いが優勢となった。長期国債の買い入れを10兆円増額し、買い入れ対象年限も拡大させた」と述べた。
現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物の321回債利回りは前日比1ベーシスポイント(bp)低い0.90%で始まり、午前は同水準で推移。午後の日銀会合結果発表後にいったん横ばいの0.91%を付けたが、その後買いが膨らむと水準を切り下げ、午後3時過ぎに2.5bp低い0.885%まで低下し、2010年10月25日以来の低水準を記録した。
5年物の103回債利回りは2bp低い0.255%まで低下。新発5年債利回りとしては10年10月18日以来の低い水準。20年物の135回債利回りは1.5bp低い1.695%と約5カ月ぶり低水準に並んだ。30年物の36回債利回りは1bp低い1.88%と約3カ月ぶりの低い水準。
日銀追加緩和日銀はこの日開いた金融政策決定会合で、長期国債の買い入れ額を10兆円増額し、基金の買い入れ対象国債の残存期間を1-2年から1-3年に拡大すること、さらに基金の買い入れ期限を来年6月末に延長することを決定した。資産買い入れ等基金のうち、金融資産の買い入れを「40兆円」に増額する一方で、固定金利方式の共通担保オペについては「30兆円」に減額する。
今回の会合について、ブルームバーグが有力日銀ウオッチャー14人を対象にした調査では全員が追加緩和を予想していた。メリルリンチ日本証券の藤田昇悟チーフ債券ストラテジストは、日銀の追加緩和について、「需要のない短期オペを縮小して国債買入を拡大するなどよく考えた内容で、実質的に10兆円の増額。積極的な姿勢を示したと受け止めて良いのではないか」と指摘した。
みずほ証券の上野泰也チーフマーケットエコノミストは「かなりの程度の追加策を出してきた。残存年限も3年以下に長期化したものの、なし崩し的な日銀券ルールの崩壊には一定の歯止めをかけている」と分析。その上で「デフレ脱却に向けた役割を強調して1%の物価目標達成が見えるまでと表明したことで、追加緩和観測は根強く残りそう」とも話した。
一方、JPモルガンの塚谷氏は、「オペの減額により、資産買い入れ等基金の総額は5兆円しか増やしておらず、バランスシートを大きく拡大させない感じ。このため、為替市場にとっては、ドル高要因ではなく、円高方向ではないか」と語った。
日銀総裁会見日銀の白川方明総裁は27日午後の定例会見で、金融政策決定会合後で追加緩和に踏み切ったことについて「足元の明るい動きを後押しすることが目的」としながらも、「毎月、毎月やっていくことではもちろんない」と話した。また、「日銀の中心的な見通しをより確かなものにしていく」ために行ったものであり、「2013年度までの消費者物価指数前年比の大勢の見通しの中心値が1%と見通していないことが追加緩和の理由かというと、そうではない」と語った。
東京先物市場で中心限月の6月物は3日続伸。前日比8銭高の142円93銭で始まり、その後は143円付近で推移。午後の日銀会合結果発表直後には142円77銭まで下げ、いったんは142円95銭まで上昇するなど前日終値を挟んで乱高下し、午後1時前後には142円75銭まで下落した。その後は水準を大きく切り上げ、143円14銭まで上昇し、中心限月で2月14日以来の高値を付けた。結局は27銭高の143円12銭で引けた。
経済指標弱め朝方発表された月次の経済指標で、3月の鉱工業生産指数は前月比1.0%上昇、全世帯・消費支出は前年同月比3.4%増加、全国消費者物価指数(CPI、生鮮食品を除く)は前年比0.2%上昇となった。ブルームバーグ調査では、生産指数は2.3%上昇、消費支出は4.1%増加、コアCPIは0.1%上昇が見込まれていた。
ソシエテ・ジェネラル証券の大久保琢史チーフエコノミストは、「朝方発表の鉱工業生産などの指標は弱い数字となった。景気の先行きに楽観できず、デフレ圧力が強いことを示す内容で、債券高・株安を促す要因」と解説した。
26日の米国債相場は3日ぶりに反発。米連邦公開市場委員会(FOMC)が政策金利を2014年遅くまで低水準で維持するとの方針を示したことで、同日の7年債入札では最高落札利回りが過去最低となった。米10年債利回りは5bp低下の1.94%程度。
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更新日時: 2012/04/27 17:14 JST