野村HD:第4四半期決算は大幅増益、債券トレーディング好調で(4)
4月25日(ブルームバーグ):野村ホールディングス の1-3月期(第4四半期)の連結決算は純利益(米会計基準)が180億円前後となったもようだ。債券トレーディングの好調などが要因で、前年同期を大幅に上回り、2四半期連続の増益となる。アナリスト予想も超えた。ブルームバーグ・ニュースの取材で明らかになった。
第4四半期は債券などフィクストインカムのトレーディング収益拡大に加え、株価上昇により投資持分証券関連損益が黒字転換したことが業績の押し上げ要因となったもようだ。2011年1-3月期の純利益 119億円に比べ5割程度の増益となる。ブルームバーグ・ニュースが集計したアナリスト9人の純利益予想平均は144億円となっている。
欧州債務懸念が後退する中、同四半期はバンク・オブ・アメリカなどの米金融機関も債券トレーディングの好調でアナリスト予想を上回る好決算を発表している。野村では人員の大幅削減でコストを圧縮する一方、この1年で米国、欧州、中東でトップトレーダーを大量採用し、債券取引で安定した利益を確保できる体制を構築してきている。
ジャパンインベスト・グループの吉岡思朗アナリストは、2四半期連続の増益について「評価できる」とした上で、「この四半期は市場環境が良かった。足元のマーケット環境が予断を許さない状況になってきている今、投資家は決して楽観的にはなれないだろう」と述べた。また、野村が「今後どこを攻めていくのかが見えない。収益をどう戦略的に増大させるか、次のドライバーが見えてこない」と指摘した。
野村は27日午後3時に決算を発表する予定。菅井馨子広報担当は第4四半期の決算の内容についてコメントを差し控えた。
野村HDの株価 は25日、この増益報道が伝わると、前日比で最大11円(3.3%)高の347円まで上昇。同8円(2.4%)高の344円でこの日の取引を終了した。出来高は東証1部市場でトップの5512万株、売買代金は同3位の約190億円に膨らんだ。
フィクストインカム第4四半期のトレーディング損益は、4人のアナリスト 予想の平均で880億円の黒字と前年同期の687億円の黒字から増加。一方、投資銀行業務手数料は180億円程度と同278億円から大幅に減ったようだ。
野村は退任したリーマン出身の幹部でフィクストインカムのグローバル責任者でもあったタルン・ジョットワニ氏の後任にスティーブ・アシュレー氏を1月に任命した。同氏は英銀RBS出身で10年に野村に入社。国債や社債など債券売買をはじめ世界全拠点のクレジット、コモディティー、デリバティブ関連業務などを統括している。
野村ではこの1年に全世界で少なくとも5人以上のトレーダーを競合他社から採用した。ニューヨークでは昨年J.Jランド氏をゴールドマン・サックス からマネジングディレクター兼、米国債トレーディングの責任者に起用している。
グローバルランキング野村の通期(12年3月期)の純利益は75億円前後となったもようだ。アナリスト予想平均は39億円で、その2倍近くになる。ただ、第2四半期(7-9月)に出した461億円の損失が影響し、11年3月期の287億円から減益となる。同社は08年の米リーマン・ブラザーズ買収で膨らんだ人件費を圧縮するため12億ドルのコスト削減を進めている。
投資銀行業務の収益は、企業の株式市場での資金調達が世界で26%、日本国内で58%縮小したのを受けて減少した。野村のエクイティオファリングでの引受業者ランキングは、同四半期は10位と昨年同様だったが、金額ベースでは71億ドルから29億ドルと大きく減少した。
一方、グローバル市場でのM&A(企業の合併・買収)助言ランキングでは14位から8位に上昇した。国際市場での債券の引き受け業務では3ランク上昇し26位についた。M&Aの業務では案件が成立してから手数料が発生することが多く、今後収益に寄与する可能性がある。
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更新日時: 2012/04/25 17:23 JST