円が上昇、欧州不安でリスク回避の買い圧力
4月24日(ブルームバーグ):東京外国為替市場では、円が主要通貨に対して全面高となり、対ドルでは一時1ドル=80円台後半で、4営業日ぶりの円高値を付けた。ユーロ圏の債務問題や政局不安が強まる中、リスク回避の流れが継続し、円買い圧力がかかった。
ドル・円相場は、円が朝方に付けた81円20銭を下値にじりじりと水準を切り上げ、午後に入り一時80円86銭まで円高に振れた。その後は81円ちょうど近辺まで戻し、午後3時55分現在は80円92銭付近で推移。ユーロ・円相場も朝方に付けた1ユーロ=106円82銭から、一時106円32銭と4営業日ぶりの水準まで円高が進み、同時刻現在は106円60銭前後で取引されている。
外為オンライン情報サービス室の佐藤正和顧問は、日経平均株価 の下落幅が一時100円を超えるなど、欧州情勢の不透明感を背景としたリスク回避の動きが目先の円買いにつながったと説明。しかし、週内に日米の金融政策決定会合を控えて、米国が緩和策を見送る見通しにある一方で、日本は追加緩和をしなければ市場の失望を誘いかねない状況にあり、「明らかに緩和に向けた圧力が強い」と言い、一段と円買いを先行させる動きは見込みにくいとしている。
米連邦準備制度理事会(FRB)は24日から2日間にわたり、連邦公開市場委員会(FOMC)を開催するが、金融政策の現状維持が検討される見通し。日本銀行は27日に決定会合を開き、同時に経済・物価情勢の展望(展望リポート)を公表する。
元日銀審議委員の中原伸之氏は、24日にブルームバーグ・ニュースに送った電子メールで、日銀が物価目標を現状の1%から2%に引き上げることや、成長通貨供給のため現在月額1.8兆円行っている長期国債の買入額の増額などを含む提言を行った。
欧州で政局不安が台頭一方、オランダでは、ルッテ首相が23日に内閣総辞職の意向を女王に伝え、総選挙が年内に前倒しで行われる可能性が出てきた。また、22日に行われたフランス大統領選の第1回投票では、現職のサルコジ大統領が社会党のオランド前第1書記の得票数に及ばず、両候補の決選投票が来月6日に行われることになった。23日に同国で実施された入札では84日物の借り入れコストが上昇している。
三菱東京UFJ銀行米州金融市場部マーケティンググループの村尾典昭マネジングディレクター(ニューヨーク在勤)は、ドイツのメルケル首相が国内世論との調整に苦しんでいる中で、サルコジ大統領がうまく妥協点を探って少しずつドイツに譲歩したという意味で、今回の欧州債務問題における国際的評価は高いと指摘。同大統領が選挙で劣勢ということで、「決選投票までは不透明感がなかなか払拭(ふっしょく)しにくい」とみている。
前日の米国市場では、欧州の政局不安を背景に株式相場 が反落。株価の予想変動率の指標であるシカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティ 指数(VIX指数)は1週間ぶりの水準に上昇した。また、債券相場は4営業日続伸しており、10年債の利回り は一時1.91%と、2月28日以来の水準まで低下した。この日の東京市場では日経平均株価 が4営業日続落して取引を終えた。
欧州財政問題が景気を圧迫また、EU統計局(ユーロスタット)が23日に発表したところによると、ユーロ圏諸国の政府債務は域内総生産(GDP)比で87.2%と、10年の85.3%を上回り、1999年のユーロ導入以後の高水準に並んだ。ギリシャ債務が165.3%で最悪だった。
三菱東京UFJ銀の村尾氏は、欧州ではスペインやイタリアなどで、ギリシャのようなことが起こるのではないかという懸念が根っこにあると指摘。「それと同時に緊縮財政によって景気がさらに悪化していくのではないか」という懸念が生じているとしている。
マークイット・エコノミクスが23日発表した4月のユーロ圏総合景気指数(速報値)は47.4と、前月の49.1から低下し、5カ月ぶりの低水準となった。ブルームバーグ・ニュースがまとめた市場予想では49.3が見込まれていた。同指数は50が活動拡大・縮小の分かれ目とされる。
ユーロ・ドル相場は前日の海外市場で一時1ユーロ=1.3105ドルと、2営業日ぶりの安値を付け、1.31ドル割れに迫った。この日の東京市場では1.31ドル台半ばから後半で取引された。
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更新日時: 2012/04/24 16:04 JST