日本株3日続落、業況警戒し海運や電力安い-重要日程控え売買低調
4月23日(ブルームバーグ):東京株式相場は3日続落。前週1週間の上げが目立った海運株が業績懸念から売られ、減配リスクなどに警戒が広がった電気・ガス株も安い。日米双方で金融政策を決める重要日程を控え、投資家の様子見姿勢も強かった。
TOPIX の終値は前週末比2.40ポイント(0.3%)安の809.54、日経平均株価 は同19円19銭(0.2%)安の9542円17銭。両指数とも反発して始まったが、為替が円高に振れた午前後半から失速し下落転換。午後は前日終値を挟み、こう着ムードを強めた。東証1部の売買代金は9287億円と、1月17日(8231億円)以来の低水準。
ITCインベストメントパートナーズの山田拓也シニアポートフォリオマネジャーは、日米の金融政策決定会合で「何が出てくるかわからないため、これをいい口実に投資家は静観している」と指摘。為替の円高方向への動きが相場の重しとなる一方、中国の経済統計がやや改善したことが相場を下支えした、と見ていた。
仏大統領選の第1回投票が22日行われ、社会党のオランド前第1書記と現職のサルコジ大統領が決選投票に進んだ。内務省の発表では、オランド氏の得票率は27.1%とサルコジ大統領の26.7%を上回った。ユーロ圏からの離脱を唱える極右・国民戦線のルペン党首は19.3%と、同党候補者としては過去最高の得票率で、全ての世論調査会社の予想を上回った。
円高動きを警戒、「メルコジ」の行方前週末に発表されたドイツの企業景況感指数が市場予想に反し上昇したことなどから、きょう朝方のユーロ・円相場は、1ユーロ=107円台後半と前週末の東京株式市場終了時の107円台前半から円安・ユーロ高の水準に振れていたが、仏大統領選の結果などを受け徐々に円高方向に動いた。
立花証券の平野憲一執行役員は、「対立候補のオランド氏が優勢なことが伝わり、『メルコジ』体制の下で進めてきた財政規律強化が再び緩むとの懸念が高まった」と言う。為替の動きに合わせ、朝方は高く始まった日本株市場も伸び悩む展開。海運、電力株の下げに加え、電機や自動車など輸出関連株、保険や銀行など金融株も弱含んだ。
中国PMIは下支え一方、午前の取引終了後に発表された英HSBCホールディングスとマークイット・エコノミクスが算出する4月の中国製造業購買担当者指数(PMI)速報値は49.1と、6カ月連続で製造業活動の拡大・縮小の境目を示す50を下回ったが、3月の48.3(改定値)からは改善、午後の日本株を下支えする一因になった。
東証1部33業種は電気・ガス、海運、空運、保険、不動産、銀行、小売、陸運、石油・石炭製品、輸送用機器、パルプ・紙、鉱業など24業種が下落。一方、水産・農林、医薬品、その他金融、食料品など8業種は高く、鉄鋼は変わらず。
下落率2位の海運に関しては、日本郵船が20日、物流事業の伸び悩みや繰り延べ税金資産の取り崩しを理由に、2012年3月期の連結純損失が従来予想の260億円から730億円に拡大したと発表。また、野村証券ではコンテナ船運賃の値引きが始まっており、13年には運賃は下落すると予想した。海運株は33業種中、前週1週間の上昇率トップだった反動もあり、厳しい業況を懸念する売りに押された。
関西電力など電力株も下落。電気事業連合会は20日、11年度の電力需要(速報)は対前年比5.1%減と2年ぶりに前年実績を下回ったと発表。また、SMBC日興証券ではセクターリポートで、原発再稼働スケジュールが不透明になり、減配リスクが高まりつつある点に警戒感を示した。このほか、12年3月期の純損失が143 億円と前の期から拡大、今3月期末配当は前期から1円減配の方針を20日に発表した東京製鉄は急落した。
医薬品は堅調一方、上昇率2位の医薬品では、武田薬品工業が上昇。欧州医薬品評価委員(CHMP)が20日、同社が米AMAGと共同で開発した貧血治療剤について、肯定的な見解を発表する材料があった。また、野村証券では23日、今期を底とした業績回復と資産圧縮から資本収益率の改善が見込まれるとし、投資判断を「買い」に引き上げた。
ヤクル本社は急騰。資本・業務提携している仏ダノンが株式の買い増しを交渉している、と21日付の日本経済新聞朝刊が報道。目先の株式需給の好転、今後の連携効果を見込む買いが入った。
東証1部の売買高は概算で15億3278万株、値上がり銘柄数は540、値下がり984。国内新興市場は、ジャスダック指数 が前週末比0.4%安の53.25と3日続落、東証マザーズ指数 は同0.8%高の394.02と反発。
記事についての記者への問い合わせ先:東京 岩本正明 Masaaki Iwamoto miwamoto4@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先:東京 大久保義人 Yoshito Okubo okubo1@bloomberg.net香港 Nick Gentle ngentle2@bloomberg.net
更新日時: 2012/04/23 15:52 JST