米国債(20日):10年債利回りは5週連続低下、欧州危機を懸念
4月20日(ブルームバーグ):20日の米国債市場では10年債利回りが週間ベースで昨年6月以来で最長の5週連続低下。欧州ソブリン債危機は解決から程遠いとの見方が背景だ。
10年債 利回りはこの日までに6日連続で2%を下回った。20カ国・地域(G20)は欧州債務危機から世界経済を守るため、国際通貨基金(IMF)の融資能力を拡大すべく4300億ドルを超える追加拠出を表明した。連邦準備制度理事会(FRB)はこの日、短期債を売却して期間が長めの国債に乗り換えるオペレーション・ツイスト(ツイストオペ)の一環として、86億3000万ドルの米国債を売却した。
GMPセキュリティーズの債券ストラテジスト、エイドリアン・ミラー氏は「欧州について何か前向きなニュースがあったとしても、米国債への買いは続くだろう」と指摘。「不透明感はまだかなり強い」と続けた。
ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによると、ニューヨーク時間午後3時44分現在、10年債利回りはほぼ変わらずの1.96%。同年債(表面利率2%、2022年2月償還)は1/32上げて100 10/32となっている。
過去約2週間にわたって10年債利回りは2%を挟んで前後7ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)内で推移している。1年前の利回りは3.41%だった。
G20会合での決定事項今回のG20の追加拠出決定で、IMFの支援能力は2倍近くに強化される。欧州の政策当局者らに対してはさらなる努力を求める声も出ているが、今回のG20の追加拠出表明は、2年におよぶ危機の収束に向けた欧州の取り組み強化への支持を意味している。
三菱UFJ証券USAのシニア米国債トレーダー、トーマス・ロス氏(ニューヨーク在勤)は「投資家の頭の中にあるのは欧州情勢だけだ。それが相場を動かしている」と述べた。
FRBのエコノミストが開発した金融モデルに基づくタームプレミアム(期間に伴う上乗せ利回り)は一時マイナス0.62%と、米国債は4月12日以来でマイナス幅が最も小さくなった。前日はマイナス0.67%と、3月7日以来最も割高な水準をつけていた。マイナスのタームプレミアムは投資家が適正水準を下回る利回りでも積極的に受け入れていることを意味する。
ボラティリティー指数ボラティリティ(変動性)の指標とされるメリル・オプション・ボラティリティ・エスティメート(MOVE )指数は72.2bpと年初来平均値の79bpを下回った。同指数は3月20日に93.3bpと、年初来の最高水準をつけた。
来週24日には2年債350億ドル、25日に5年債350億ドル、26日には7年債290億ドルの入札がそれぞれ実施される。
5年物の米国債とインフレ連動債(TIPS)の利回り格差 は前日に1.88ポイントと、2月16日以来の最小に縮小した。
米財務省が19日実施した5年物TIPSの入札(発行額160億ドル)結果によると、最高落札利回り はマイナス1.08%の過去最低。投資家は消費者物価の上昇に対する備えとしてTIPSを望んでいる。バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチの指数によると、TIPSのリターンは年初から2.2%のプラスとなっている。
原題:Treasury 10-Year Yield Falls for Fifth Week Amid EuropeanCrisis(抜粋)
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更新日時: 2012/04/21 06:57 JST