輸出が6カ月ぶりに増加、予想上回る-貿易収支は2カ月ぶり赤字 (3)
4月19日(ブルームバーグ):3月の日本の貿易収支は2カ月ぶりの赤字となったものの、輸出は自動車を中心に米国向けが好調だったほか、前年の水準が東日本大震災の影響で下振れたことから、6カ月ぶりに前年比増に転じた。輸入は原油価格の高騰や火力発電向け液化天然ガス(LNG)の需要増などを背景に引き続き増加し、輸出を上回る伸びとなった。
財務省が19日発表した貿易統計速報(通関ベース)によると、輸出額は前年同月比5.9%増の6兆2042億円に増加した。前年同月は同2.4%減だった。輸入額は同10.5%増の6兆2868億円と27カ月連続のプラスとなり、差し引きした貿易収支(原数値)は826億円の赤字となった。
ブルームバーグ・ニュースのエコノミスト調査による予想中央値は、輸出額が前年同月比0.2%増、輸入額は同7.0%増だった。貿易収支は2232億円の赤字。貿易収支が予想を下回る赤字となったことで、外国為替市場では、円が上昇し、対ドルで一時1ドル=81円17銭を付けた。発表直前は81円30銭前後だった。
野村証券の木内登英チーフエコノミストは統計発表後のリポートで、輸出の見通しについて「米国景気が堅調を維持していることに加え、中国の景気減速が日本からの輸出に大きな影響を及ぼさなかった」とした上で、「輸出は今しばらく回復基調を継続する」との見方を示した。
輸出は、自動車が前年同月比44.7%増、同部品が24.2%増と大幅な伸びを示した。地域別では米国向けが同23.9%増と5カ月連続で増加し、2010年7月(25.9%増)以来の伸びを示した。一方で、欧州債務危機の余波を受けている中国向けは同5.9%減と6カ月連続で減少。アジア全体では6カ月ぶりに増加したが、伸び率は同0.5%にとどまった。
11年度は過去最大の赤字輸入は、原粗油が前年同月比22.8%増、液化天然ガスが同58.7%増だった。原子力発電の代替燃料として昨年5月から2桁台の増加が続いているLNGは輸入額が5700億円と過去最高を記録した。
伊藤忠経済研究所の丸山義正主任研究員は「輸出は米国向けや東南アジア諸国連合(ASEAN )向けの持ち直しにより回復しつつある」としながらも、「回復の勢いはいまだ鈍く、本格復調にはなお時間を要する」とみている。
季節調整済みの前月比では3月の輸出額は1.2%増の5兆5413億円と4カ月連続で増加。輸入は6.3%増の6兆1626億円と2カ月ぶりに増加し、差し引きした貿易収支は6213億円の赤字となった。
併せて発表された2011年度の貿易収支は4兆4101億円の赤字に転落。赤字額は過去最大を記録した。貿易収支の赤字はリーマンショックが起こった08年度(7648億円の赤字)以来3年ぶり。震災や世界経済の低迷から輸出が前年比3.7%減の65兆2819億円と2年ぶりに減少した一方で、燃料を中心に輸入が同11.6%増の69兆6920億円と2年連続で増加した。
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更新日時: 2012/04/19 11:47 JST