スペインの銀行の自国債購入、デフォルトリスク納税者に移転
4月18日(ブルームバーグ):スペインとイタリア、ポルトガルの銀行は自国政府が発行した国債を買い込んでいる。これは国債デフォルト(債務不履行)リスクを民間債権者から欧州の納税者に移転させる動きが加速することを意味する。
スペインの金融機関による自国債保有は2カ月で26%増加し1月末時点で2200億ユーロ(約23兆4000億円)に達したことが、同国財務省のデータに示されている。イタリア銀行(中央銀行)のデータによれば、同国の銀行による自国債保有は2月までの3カ月間に31%増加し2670億ユーロに上った。
一方でドイツとフランスの銀行は、これらの国債だけでなくアイルランドとギリシャの国債の保有も減らし、一部では2010年以降に50%減ったケースもある。こうした状況では、自国債を購入している国内金融機関が先月のギリシャのように債務再編の危険にさらされることになり、欧州中央銀行(ECB)も損失に直面する。ギリシャのケースと同様、各国政府は欧州連合(EU)から資金を借り入れて国内銀行を救済する必要も生じる可能性がある。
ブリュッセルのシンクタンク、ブリューゲルの副ディレクター、グントラム・ウォルフ氏は「国境を越えた融資を控える銀行が増えれば増えるほど、ECBによる融資実行への介入が増える」と指摘。「中核国の周辺国に対するエクスポージャーは民間部門から公的部門にシフトしつつある」と分析した。
ECB融資スペインとイタリアの銀行による自国債保有が急増したのは、ECBが昨年12月に開始した長期資金供給オペ(LTRO)で1兆ユーロの流動性を域内金融機関に提供したことが要因だ。資金を受け取り債券を購入するよう促された金融機関は、12月21日に4890億ユーロ、2月29日に5300億ユーロを借り入れた。
スペインとポルトガル、アイルランド、ギリシャ、イタリアのいわゆる周辺国の金融機関にとっては、利ざやも誘因だった。金融機関は1%の利率で借り入れて利回りが6-13%の国債を購入できた。
こうした債券購入は当初こそ利回り低下につながったが、ここにきてリセッション(景気後退)の深刻化による国債デフォルト懸念が浮上し、スペインの10年債利回りは再び6%台に戻り、同国債の保証コストも他の欧州の国が救済を求めた水準に達した。
米バード大学のレビー経済研究所のディミトリ・パパディミトリウ氏は「ポルトガル国債の再編が民間部門で行われた場合には、ポルトガルの銀行はギリシャの銀行のように救済が必要になる」と指摘。スペインではサンタンデール銀行など比較的財務基盤の強い銀行は国債保有に伴う損失に対処可能だが、不動産融資の焦げ付きで痛手を負った弱い貯蓄機関は支援が必要になると分析した。
原題:Spanish Banks Gorging on Sovereign Bonds Shifts Risk toTaxpayer(抜粋)
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更新日時: 2012/04/18 12:13 JST