円全面安、海外情勢の悲観修正や日銀緩和期待で-対ドル81円前半
4月18日(ブルームバーグ):東京外国為替市場では、主要16通貨に対して円全面安の展開が継続。対ドルでは1ドル=81円台前半で約1週間ぶりの安値で推移した。海外の経済情勢に関する過度の悲観論修正を背景にリスク回避の動きが緩和する中、日本銀行の追加緩和期待が円売りを後押しする格好となった。
ドル・円相場は朝方に付けた80円84銭を円の上値に午前8時すぎには81円台を回復。その後もじりじりと円が水準を切り下げ、正午すぎには81円43銭と、10日以来の水準まで円安が進んだ。午後4時現在は81円26銭付近で取引されている。ユーロ・円相場も正午すぎに一時1ユーロ=106円90銭と、3営業日ぶりの円安値を付けた。
三菱東京UFJ銀行金融市場部の亀井純野シニアアナリストは、スペインの入札結果や世界経済に関する好材料を背景に、「短期的にリスク許容度が幾分改善」する格好となり、週初からのリスクオフ(回避)に伴う円買いの巻き戻しが入ったと指摘。さらに、西村清彦日銀副総裁の講演内容が伝わると、円一段安の展開につながったと説明している。
ただ、あす19日からは米ワシントンで20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議が開かれるほか、スペインでは長期国債の入札も控えており、亀井氏は、緊迫感や懸念を持ってリスク許容度が下がっていた部分は巻き戻しされているものの、積極的な円売りの動きがあるかどうかについては疑問符が付くとみている。
日銀緩和期待日銀は27日、今月2回目となる金融政策決定会合を開き、同時に経済・物価情勢の展望(展望リポート)を発表する。白川方明総裁は10日の定例記者会見で、次回会合について、経済・物価の見通しを「特に念入りに点検し、そうした見通しに基づいて適切な金融政策を行っていきたい」と述べている。
この日の午前には、日銀の西村副総裁が岡山市内での講演で、2月14日の会合で示された「消費者物価の前年比上昇率1%を目指して、それが見通せるまで強力に金融緩和を推進していく」との姿勢に関して、「この表現は、2月の決定会合の議事要旨にも記述されている通り、日銀として、今後も必要に応じて追加的な手段を講じていく姿勢にあることを表している」と述べた。
みずほ総合研究所の武内浩二シニアエコノミストは、月末の日銀会合に向けて、「金融緩和期待が残っている」として、リスクオン(選好)の方向に振れる格好になっていると言い、円売りが後押しされていると説明している。
2004年-09年に日銀の審議委員を務めたクレディ・スイス証券の水野温氏取締役副会長は、16日のブルームバーグ・ニュースのインタビューで、27日の会合で「何もしないという選択肢はもはやないだろう」とした上で、「長期国債を5兆円ないし10兆円買うだけなら、恐らく為替市場や株式市場に対して効果は期待できない」との見解を示している。
リスク回避緩和一方、スペイン政府が17日に実施した12カ月物と18カ月物証券の入札では、発行額が目標上限を上回った。これを受けて、欧州債市場では、スペインを中心に高債務国の国債が買われ、スペインの10年債利回り は6%を割り込んだ。
クレディ・スイス証券外国為替調査部の深谷幸司チーフ通貨ストラテジストは、全般的に円が安く、「リスクオンが少し戻った感じだ」と指摘。ドイツの指標上振れや国際通貨基金(IMF)の世界成長見通しの若干の上方修正も効いているが、スペインが入札で短期債を「売り切ったことが一番大きい」とし、アジア時間もリスク選好の流れを引き継いで円が軟調に推移するとみている。
IMFは17日、世界経済見通し(WEO)を発表し、今年の世界の経済成長見通しを3.5%、来年については4.1%との予想を示した。1月時点ではそれぞれ3.3%、4.0%と予想しており、今回はともに上方修正された。米国についても今年の成長率を1.8%から2.1%に、来年は2.2%から2.4%にそれぞれ予想を引き上げている。
加えて、ドイツの欧州経済研究センター(ZEW)が発表した4月の独景況感調査では23.4と、前月の22.3を上回り、2010年6月以来の高水準となった。ブルームバーグ・ニュースがまとめた市場予想では、19.0への低下が見込まれており、予想外の改善となった。
そうした中、17日の米株式相場 は大幅高。株価の予想変動率の指標であるシカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティ 指数(VIX指数)は3営業日ぶりの水準に低下した。欧州株式相場はストックス欧州600指数 が前日比2%高と、昨年12月20日以来で最大の上げとなった。
この日のアジア株式市場は全面高の展開となっており、日経平均株価 は前日の終値から200円を超える大幅高で取引を終えている。
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更新日時: 2012/04/18 16:07 JST