ユーロの上値重い、スペイン国債入札を警戒
4月17日(ブルームバーグ):東京外国為替市場ではユーロが反落。スペインの国債入札を控えて、欧州債務問題に対する警戒感が根強く、ユーロは前日の海外市場での上昇幅を縮める展開となった。
ユーロは対ドルで1ユーロ=1.31ドル半ば付近から一時、1.3091ドルまで軟化。前日には2カ月ぶり安値(1.2995ドル)を付けた後、反発し、米国時間には1.3148ドルまで値を戻していた。
ユーロ・円相場も海外時間に1ユーロ=104円63銭と2月20日以来のユーロ安値を付けた後、105円後半まで戻したが、その後ユーロは伸び悩み、この日の東京市場では105円29銭まで値を切り下げた。
三菱UFJ信託銀行資金為替部の塚田常雅グループマネージャーは、スペインの国債入札について「買い手不足が露呈した場合には一段のセンチメントの悪化の可能性は十分あるが、ある程度セーフティネットが用意されているため、カタストロフ(破滅)的な展開まで発展するとは考えにくい」と指摘。一方で、今後債務危機や経済の停滞による資産劣化で金融機関の健全性への懸念が顕在化してくれば、状況が一段と深刻化する可能性が高いとし、「その場合、当然一段のユーロ安の可能性を想定しておかなければならない」と語った。
ドル・円相場は海外時間に一時、1ドル=80円30銭を付け、2月29日以来のドル安値を更新。その後はもみ合いとなり、この日の東京市場では80円34銭から80円55銭のレンジで推移した。
スペインの国債入札スペインは17日に12カ月物と18カ月物証券、19日は2014年10月と22年1月にそれぞれ償還を迎える国債の入札を予定している。同国の10年債利回りは16日、前週比で最大18ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上げ、一時6.16%と昨年12月1日以来の高水準を記録。クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)市場では、スペイン国債の保証コストが連日で過去最高を更新した。
大和証券投資情報部担当部長の亀岡裕次氏は、前日の海外市場では「他の通貨と違ってユーロだけ上がっていた感があったが、さすがにそうした動きも続きにくい」と指摘。「スペインの入札を控えて、警戒が収まり始めたという兆候はまだないし、IMF(国際通貨基金)の融資枠やフランスの大統領選などの不透明要素があることも影響していると思う。そこら辺の結果がはっきりするまではユーロは上がりにくいだろう」と話していた。
フランスでは大統領選挙の第1回投票が22日に行われる。現職のサルコジ大統領が支持率で劣る中、市場関係者は社会党のオランド候補の政策は債務を拡大させるとの懸念を抱いており、16日の欧州株式市場ではフランスの銀行株が下落した。
三菱UFJ信託銀の塚田氏は、「足元でもう一つ気がかりなのはECB(欧州中央銀行)に対する過度の期待感だ。選挙を通じて欧州の政治家からの過度の干渉があった場合には、結果的にECBの予防的措置や裁量の自由度の制約となることが懸念される」と語った。
サルコジ大統領は15日、インフレ抑制だけでなく成長促進をECBの責務に含める議論を呼び掛けた。これについて、オランド候補は16日、ラジオ局フランスアンフォとのインタビューで、ECBが危機の当初にギリシャ債を大量に購入していれば、債務危機は回避できたとの見解を示した。
日本政府、IMF資金協力表明ドラギECB総裁は17日、フランクフルトで講演を行う。ブルームバーグがまとめたエコノミスト調査によると、ドイツの欧州経済研究センター(ZEW)がこの日発表する4月のドイツ景況感指数(期待指数) はプラス19と3月のプラス22.3から低下する見通しとなっている。
一方、日本政府は、欧州の政府債務危機の拡大を阻止するため、IMFの資金基盤強化に向け、外国為替資金特別会計から600億ドル(約4.8兆円)の融資枠を設定することを決めた。週末にワシントンで開かれる20か国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議などで正式に表明する。安住淳財務相が17日午前の閣議後会見で明らかにした。
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更新日時: 2012/04/17 16:31 JST