NKSJ社長:新興国の自動車保険への投資に関心-収益貢献で選別(1)
4月23日(ブルームバーグ):大手損害保険グループのNKSJ ホールディングスは、今後の買収・合併(M&A)戦略として、成長性が見込める新興国の自動車保険会社などに選別投資していく方針だ。1日付で就任した桜田謙悟社長(損害保険ジャパン社長、56)ら経営トップがブルームバーグ・ニュースとのインタビューで述べた。
NKSJでは損保ジャパンと日本興亜損害保険が2014年度上半期に「損害保険ジャパン日本興亜」として合併する予定。日本の自動車保険市場などが少子高齢化などで頭打ち状態となる中、桜田社長や同時に持ち株会社の会長に就任した二宮雅也会長(日本興亜損保社長、60)が今後の経営戦略を明らかにした。
桜田氏は海外M&Aについて、新興国などの保険会社が対象となるとの考えを示した上で、中長期的な収益貢献の観点から「現地市場で成長する自動車保険に強みを持つ会社」などを見極める方針を示した。NKSJでは海外保険事業からの収益について現在の年間約50億円から16年3月期には200億円に拡大することを目指している。
また桜田氏はM&A戦略に関連し、補償内容やカバー地域で保険リスクを分散する考え方について、事業多様化や国際化ではなく「再保険を調達する」ことでリスクは分散できると指摘し、M&Aの主目的は収益力の拡大と強調。欧米の保険会社も対象とするが、投資規模とも照らし合わせ「やるならよく知っているところ」に限定する方針だ。
スピード感で合併に転換損保ジャパンと日本興亜2社合算の正味収入保険料は11年3月期時点で1兆8800億円。損保単体では1兆7400億円の東京海上日動火災保険、1兆2300億円の三井住友海上火災保険を上回る。国内損保市場の伸び悩みなどでパイ拡大が難しくなる中、桜田氏は「適正な競争でシェアを上げる必要がある」と述べた。
国内損保事業について2014年の傘下損保の合併新会社の社長に就任する二宮氏は「顧客評価が最も高い評価になること」が重要と指摘。傘下損保2社を併存させる「1プラットフォーム、2ブランド」戦略を転換した理由について東日本大震災やタイ洪水などで「スピード感をもって事業効率を高める必要があるとの機運が高まった」と述べた。
スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は損保ジャパンと日本興亜の両社を2月に「A+ 」に1段階格下げした。タイ洪水や東日本大震災の影響で損失計上する結果、自己資本基盤が劣化するためなどとしている。桜田氏はリスクの削減や収益からの資本積み上げによりAA格へ再昇格を目指していきたいと述べた。
訪問介護リスク削減の一環として、政策保有株式は計画通り13年3月までの3年間で3000億円削減する方針だ。資本の積み上げは収入拡大とコスト削減による収益力強化で対応する。国内損保事業の市場シェア拡大と保険以外のサービス産業への多角化で収入増加を図るという。
保険事業以外の収益拡大策について桜田氏は「利用者が2000万人おり、保険だけではなく、サービスを買ってもらうことが収益につながる」と指摘。今月から始めた利用者向けのレッカーや修理業者の手配といったアシスタンス事業や、訪問介護事業などを強化していきたい意向を示した。
NKSJ株の23日終値は前週末比10円(0.6%)安の1648円。
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更新日時: 2012/04/23 17:04 JST