イタリア:フェラーリなど高級車は時代遅れ-脱税取り締まり強化で
2月9日(ブルームバーグ):イタリアのミラノで1月下旬、警察官が市内で一斉に自動車の取り締まりを行い、350台以上を停止させた。大半がSUV(スポーツ型多目的車)やポルシェなどの高級車だった。
高級品店が集まるコルソコモなどの近くに設置された検問所では、警察官がドライバーの免許証と登録証の情報を取得し税務当局に提出した。当局は、自動車の保有者が所得を適切に申告したかどうか、そしてもちろん、所得税を適正に支払っているかどうかを調査するためにこのデータを利用する予定だ。こうして高級車の保有者がライフタイルを正当化できるだけの納税を行っているかどうかを検証している。
高級スキーリゾートのコルティナダンペッツォで昨年12月30日に取り締まりが実施されて以降、富裕層のイタリア人を対象とした取り締まりは、少なくとも5回行われている。このリゾートではフェラーリやランボルギーニなどのスーパーカーを含む高級車251台が停止させられた。ブルームバーグ・ビジネスウィーク誌2月13日号が報じている。取り締まりは、ローマやポルトフィーノ、イタリアンリビエラ、フィレンツェでも実施されている。
イタリア北東部の富裕層が居住する地区に住み、レンジローバーを保有するアンドレアさんは「SUVの高級車を運転しているのでこれまでの数週間に3回も停止させられた。米国のマッカーシー時代のようだ。疑われているように感じる」と語る。
アンドレアさんは43歳のビジネスマン。イタリアの税務当局の注意を引くのを恐れ、姓を名乗ることは控えた。今は昨年5月に購入したSUVの売却を計画している。10万ユーロ(現在のレートで約1030万円)を超える価格で購入したが、売り値は最高で4万ユーロと見込んでいる。「販売店には高級車があふれている。今では誰も買おうとしない」と話す。
ヨットの次は高級車イタリアの税務当局は1年以上前、港に係留されているヨットの保有者が税金を適正に支払っているか調査するため追跡を開始した。この時と同じ考え方を高級車の保有者にも適用している。
コルティナダンペッツォでの取り締まりで税務当局は、高級車の保有者42人が2010年と09年の所得を3万ユーロ未満と申請していたことを突き止めた。さらに19台は前年に赤字を計上した企業が保有していた。フィレンツェでの取り締まりでは、納税記録のない建設業者が、社会的支援を受けている妻と共にメルセデスを運転していることが明らかになった。フィレンツェの税務事務所のウェブサイトによると、ドイツ人のBMW「X5」の保有者は所得を申告していなかった。
脱税により収入が年間約1200億ユーロ失われていると推計しているイタリア政府にとって、これは深刻な事態だ。
イタリア税務当局の査察部門のマネジャー、カルメロ・ピアンカルディーニ氏は「高級車保有は支出と生活の水準を浮き彫りにし、それは保有者が申告している所得と釣り合わない場合が多い」と指摘。「税務当局に隠し事をせず高級車を購入しているのであれば、心配する必要はない」と述べた。
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更新日時: 2012/02/09 16:02 JST