ギリシャの辞書に「緊縮」なしか、それならドイツの「我慢」もなし
1月25日(ブルームバーグ):我慢するにも程がある。新年とともに、欧州ソブリン債危機は暦年で3年目に入った。そして域内最悪の問題児ギリシャは、ますます救いようがない様相を呈してきた。1300億ユーロ(約13兆2200億円)の第2次救済が受けられなければ、3月には破産しているだろう。
ドイツを中心とした欧州北部の国々が弱い隣人に対してもっと結束を示すべきだという議論は、ギリシャなどが巨額債務を返す意思はあるが返せないのだという前提に基づいている。しかし、もしギリシャの辞書に「緊縮」という言葉がなかったら、そしてギリシャ政府に変わる気がないとしたらどうだろうか。当然のことながら、それは外国人の納税者の博愛心をかき立てない。ギリシャをデフォルト(債務不履行)から救えるのはドイツだけだが、債務に歯止めがかからないギリシャの強情さを見てドイツは、危機解決にもっと思い切った方法が必要だと感じ始めている
ドイツの新聞、フランクフルター・アルゲマイネの発行人の1人、ホルガー・ステルツナー氏は「ギリシャが通貨同盟国として競争力を高めたがっているのかどうかすら、疑わしい」として、「アテネのエリートたちは働かずして給料がもらえる自分たちの境遇を捨てる気はもちろん、腐敗や脱税を取り締まる熱意もなさそうだ」と話す。同氏は周辺国への救済にさらに金を出す必要はないと切り捨てた。
また、ヨルグ・アイゲンドルフ氏は日刊紙ウェルトで、「ユーロ圏からのギリシャの離脱は規律を守らせる効果を持ち、より強いユーロ圏につながるかもしれない」と主張。現実を「見ようとしない国の居場所はユーロ圏にない」と断じ、スペインやイタリアでの一段と深刻な危機リスクを防止するため、即刻ギリシャは離脱すべきだと論じた。
共通通貨の未来に対する一段と大きな脅威は、ドイツの離脱を求める声だ。ドイツのガス・エンジニアリング会社リンデのウォルフガング・ライツル最高経営責任者(CEO)は先週、高債務国が改革を実行できないならばドイツがユーロ圏を離れるべきだと発言した。2010年に危機が始まって以来、輸出企業に優しいユーロへの支持で団結してきたドイツ大企業の幹部発言としては異例だ。独経済誌フォークス・マネーのハンス・セドルマイヤー氏に至っては今週、ドイツ連邦銀行(中央銀行)がドイツ・マルクへの回帰に備えて準備しているとの情報を持ち合わせているという複数の関係者を引用した。
ギリシャのユーロ離脱は地域にとって衝撃的な痛手だろう。しかし、ギリシャを早期に離脱させる方が、後でドイツが去るよりもましだ。ユーロが今後どのような道をたどるにせよ、その歩みは大国ドイツの堪忍袋の緒が切れることによって加速するだろう。(デービッド・ヘンリー)
(デービッド・ヘンリー氏はブルームバーグ・ビューのフランクフルト在勤のエディターです)
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更新日時: 2012/01/26 20:04 JST